2003年07月号(Vol.91)興味を掘り下げる    —外国語学習体験談

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2003年07月号(Vol.91)興味を掘り下げる    —外国語学習体験談

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2003/07/01 2003年07月号(Vol.91)興味を掘り下げる    —外国語学習体験談

 興味を掘り下げる
—外国語学習体験談

  今月は、日本語をモノにしたAdam講師と、英語をモノにしたKumi講師に外国語学習の体験談をインタビュー。皆さんの学習の参考にしてみてください。


日本人より日本的?

最初のインタビューは Adam講師。ニッセイトでは昨年の10月から教えています。

– – 日本に来ようと思ったのは?
私はアメリカで小学校の先生をしていましが、JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Program)が日本の小、中学校で英語の先生を募集しているのを知り、応募しました。赴任先は栃木県の大平町という田舎町でした。たんぼばっかりで言葉も分からず、1年も生活できるか不安でしたが、とても良い人たちに恵まれ、その地に2年間お世話になりました。

– – 来日前には日本語を話せたのですか?

いいえ。知っていたのは「さよなら」と「すし」でした(笑)。でも、大平町では、英語を話せる人はほとんどいなかったので、片言の日本語でも使わなければ生きるか死ぬかといった状況でした。

– – なるほど。やはり切羽詰まった状況に身を置くのが語学学習には一番いいのかもしれませんね。日本語の学校にも通ったのですか?
学校はなかったのでプライベートレッスンを受けました。小学校の夏休みの間は毎日7時間、日本語の勉強をしました。

– – どんな勉強をしたのですか。また苦労した点は?

マンがを読めるようになりたかったので、漢字の練習をたくさんしました。苦労したことは、テキストで勉強した言葉が丁寧語で友だちや子供たちとの間の日常会話ではあまり実用的でなく、その使い分けが難しかったことです。

– – 最近はどのように日本語を勉強しているのですか?
週刊誌「アエラ」を読んだりしています。星新一の小説「ボッコちゃん」も読みましたよ。

– – 外国語もあるレベル以上になってくると語いが勝負になってきます。そういう意味で読書は効率の高い学習方法ですよね。しかし、漢字の多い雑誌や小説まで読んでしまうというの素晴らしい!
目標は日本語能力試験で、まず2級に合格したいと思っています。

– – やはり、目標があると学習も意欲的になるのですね。
噂によると梅干を自分で漬けているそうですが…

はい。昨年は5キロ位漬けました。

– – それはすごい。誰に教わったのですか?
近所に住むママさんです。

趣味は?
書道、ハイキング、ガーデニングです。

– – 書道?
はい。週に1回、習っています。

– – 日本国内はどんなところを旅行しました?
鹿児島、宮島、山形、富士山頂上…。いろいろなところを旅行しました。旅先での珍しい食べ物、建築様式、地方の方言に触れるのが楽しみなんです。

– – 好きな食べ物は?
もんじゃ焼き、めんたいこ、キムチ、納豆…。

– – なんか日本人より日本的ですね(笑)。

◆積極的に日本文化を体験しながら日本語を学んでいる姿勢に感服します。その国の人と積極的に交流し、その国の人が伝統的に行ってきていることを模倣してみる。外国を深く知るためのポイントなのかもしれませんね。


『Back To The Future』は100回以上

さて、次のインタビューは英語をモノにした日本人コーディネーター、岡崎久美子。

– – 英語との初めての出会いはいつでしたか?
小学5年生の時です。初めて見たアメリカ映画『Back To The Future』にマイケル・J・フォックスが出ていて、ファンになりました。その映画は録画して100回以上見たと思います。セリフなんか全部、暗記してしまいました。 今でもその映画のシーンを見ればセリフが言えますよ(笑)。

– – それはすごい。でも、英語を全然知らない中でどうやって覚えたのですか。
ビデオに録画した映画は二ヶ国語放送だったんですね。「この日本語を英語では何て言うんだろう」と思って音声の切り替えをして遊んでいました。しばらくして、「『私』のことはを“I”って言ってる。男の人は“He”って言ってる。女の人は“She”だ」というようなことが分かってきたんですね。そうしているうちにだんだんと英語が分かるようになってきました。

– – 文字はまだ読めなかったんでしょう?
全然です。でも6年生の時に親が「こんなのがあるよ」って『Back To The Future』の映画台本の対訳本を買ってきてくれたんです。

– – なるほど。そうして台本を全部覚えてしまったというわけですね。Kumi の発音はすごく綺麗ですが、それは映画仕込みだったのですね。

はい。その後も、マイケル・J・フォックス以外にもトム・クルーズ出演の映画など好きなのは何度も何度も見ました。お陰で中学校、高校では特別な受験勉強は必要ありませんでした。

– – その後、英語はどのように勉強しましたか?
映画などの字幕がどのような日本語訳になっているかに興味を持つようになり、翻訳本もたくさん読みました。特に『不思議な国のアリス』の日本語訳対比は面白かったです。英語独特の言葉の面白さを半減させることなく訳者の悪戦苦闘を感じながらもその巧みな日本語訳に感心しました。また、言葉には文化、習慣、宗教が反映していることに気がついてきたのもこの頃です。日本語や日本文化を再認識するようになりました。

– – タイでボランティア活動をしていたそうですが…。
はい。ニッセイトに入社する以前にタイで2ヶ月間、英語の先生としてボランティア活動をしていました。私が教えていたのは、この世に生を受けてすぐ捨てられ、施設で暮らす子どもたちでした。
施設の門の前に捨てられた子はまだ運がいい方で、街中に捨てられてしまった子は自分の力だけで生きていくことを強いられます。ギャングの手先としてドラッグを売り歩く子、売春を強要されている女の子。彼らは、他に生きるすべを与えられていないのです。タイの街角で見た一人の少年の姿はいまだに私の目に焼きついて離れません。彼は、まだ小学生にも満たない少年で、誰かが飲み捨てたコーラの紙コップをカラカラとふり、通り過ぎる大人たちの足元でお金を恵んでもらっていました。
帰国した私は、タイで得た経験を活かすことのできる児童英語講師として仕事につくことを決心しました。そして、日本の子どもたちが英語を通して世界に目を向けていくお手伝いをしていきたいと思ったのです。

– – 貴重な体験談をありがとうございます。最後に、ニッセイトの生徒の皆に何か学習のアドバイスをお願いします。
英語を学習していく上で、語いを増やしていくことはとても大切なことです。しかし、単語は使い方を知って初めて会話で役に立ちます。私は意味調べをすると必ず例文を書いておくようにしました。皆さんには、英語学習を通して日本文化の美しさ、歴史に刻まれた伝統の素晴らしさを見つめ直していって欲しいと思います。


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◆やはり「好きこそものの上手なれ」なのでしょうか。「マンガを読めるようになりたい」「マイケル・J・フォックスのファンになった」といったことから興味が広がり、二人とも苦労を苦労とせず、比較的、短期間に外国語をモノにしたようです。生徒の皆さんも興味あることを掘り下げ、自分に合った勉強方法を早く見つけられるといいですね。


これって英語?

デッドボール(死球) dead ball?!

野球用語のほとんどは英語に由来しますが、戦時中は敵国語として全て日本語に変更していたそうです。ストライクを「よし1本」、アウトは「ひけ」、ファールを「圏外」、三振は「それまで!」…というように。“デッドボール”はというと、訳語の「死球」を再直訳した和製英語。英語では、”hit by a pitch” 。「彼はデッドボールになった」は、“He was hit by a pitch.”となります。


編集後記

What one likes, one will do best. (好きこそ物の上手なれ)

6月の最終週にはオープンクラスが行われ、保護者の方から「うちでは何もやらないんです」という嘆き?の声が多く聞かれました。必要に迫られていない状況で子どもたちに自主的な学習を期待するのはやはり無理があります。人は興味を持ったら自発的になれます。でも、どうしたら…? 子どもたちが興味を持てるように、ご家庭の保護者や私たちが工夫し、試行錯誤しながら習慣化を図るための努力をしていくしかないように思います。


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