1997年6月号(Vol.30)言葉は、心の反映です

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1997年6月号(Vol.30)言葉は、心の反映です

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1997/06/01 1997年6月号(Vol.30)言葉は、心の反映です


 

言葉は、心の反映です

 

 言葉は、コミュニケーション活動において大切な道具です。時に言葉は、武器のように人を傷つけ、時に、枯れた大地に降り注ぐ雨のように心に潤いを与えてくれます。今月号は、私たちが日頃使っている言葉に視点をあててみました。


言葉とゆとり

 

 先日、ある商店街を歩いていたところ、おもちゃ屋の前で4才くらいの男の子がグズッていました。おもちゃをお母さんにねだっていたようです。お母さんは大きなショッピングバッグを手に、また赤ちゃんも抱えていました。

男の子:ねぇ、買って、買って!
母  :おもちゃ、一杯持っているでしょう。
男の子:でも、○○○が欲しい!
母  :もう、おいていくわよ!
男の子:ウァー!(泣き始める)
母  :勝手にそこで泣いてなさい!
男の子:(座り込んで)ウァー!
お母さんが恐い顔をして子どもに近寄っていく。
男の子は反射的に体を縮ませる。
母  :いいかげんにしなさい!(パシィ!)
男の子の頬を思いっきり平手打ち・・・・・

お子さんがいらっしゃる方は、少なからず似たような経験があるかもしれません。大切なのは、その後のフォローをどうするかではないでしょうか。心にゆとりがあれば、その後しっかり抱きしめてあげたり、お母さんの優しい笑顔で安心させてあげられるかもしれません。でも、ゆとりがないと、そのまま気まずい感情がお互いに尾をひくことがあります。その場合、子供にとっては深刻で、深い恐怖、悲しさを心に積み重ねていってしまいかねません。また、暴力による叱責は、事の是非よりも子供に力への服従を教えるような危険性を兼ね備えています。ここで言う暴力は、言葉の暴力も含みます。上記の例でのお母さんは、子供が一時的な衝動でおもちゃを欲しがっていることを既に心得ているのだと思います。欲しがる度に買って与えていたら、それこそきりがありませんから。でも、見ていて心が痛んだのは、言葉のやり取りの中にストレス的なものが感じられたからだと思います。余裕があれば、子供の気を紛らすためにひと工夫したり、何か約束事をしてそのご褒美に買ってあげることにすることもできるでしょう。


 

親の口癖

 

 『子どもを追いつめるお母さんの口癖』(青樹社出版)の中で著者金盛浦子先生は、お母さんの日頃の口癖になりそうな言葉を列挙して、その陰に潜む危険性を警告しています。いくつかご紹介しましょう。
・早くしなさい。
・そんな子は大嫌い。
・置いてっちゃうよ。
・お兄(姉)ちゃんでしょ。
・そのくらい、どうしてできないの?
・あなたのためを思って言ってるのよ。
・お父さんに怒ってもらいますからね。
・ウチには、そんなお金ないの。貧乏なんだから。
・子どものくせに口答えするんじゃない。
・お父さんとお母さんとどっちが好き?
・いつから不良になっちゃったの。
・そんなことじゃお父さんみたいになっちゃうわよ。
・あんな友達と付き合ってはダメ。
思い当たる口癖、ありませんでしたか。金盛先生は、これらを使うことがいけないとは言っていません。使った場合でも「ああ、失敗だったな」と思う余裕さえあれば悪い結果の積み重ねにはならない、と述べています。また、「少しばかり手荒い言葉でも心地よいコミュニケーションとして心の栄養にできるときさえある。そうした差を生むのは、言葉の背景にあるお母さんの気持ちや精神状態だということをお忘れなく。言葉とは、言葉の意味ではなくて、気持ち、心を伝えてしまうもの。誰かを傷つける言葉は、ほかならぬ自分をも傷つけてしまう。傷ついた心はさらに他の心を傷つけてしまいがち」と言及しています。案外私たちは、子供の頃に自分が言われて嫌だった言葉を忘れてしまい、ふと気づくと他人に対して発していたりするものです。金盛先生の言葉を借りれば、そんな時に、自分への気づきがあるかどうかが大切ということでしょう。感情や見栄、また世間体を意識して放たれた言葉は、人の心には響かないものです。それどころか反発心をあおるだけではないでしょうか。一度、お子さんに、自分の口癖や嫌いな言葉にどんなものがあるのか聞いてみてはどうでしょう。


 

心と技術のバランス

 

 今日、多くの人が忙しさに身を置いています。「忙しくない」という人のほうが希かもしれません。ただ、「忙しい」ということと「心の余裕」は別問題のようです。忙しくしている人でも人の話をゆっくり聞いてあげられる人はいます。逆にどんなに時間的余裕のある人でも、人の話を聞くことのできない人もいます。「余裕」とは、時間の長さというより質的なものなのでしょう。でも、自分が誰かにしっかり聞いてもらえていないと、他者に対してもなかなか聞いてあげられないものです。育児が中心となる主婦の場合、孤独が故での大変さがストレスの一因になります。そういう意味では、ご主人の理解と協力が欠かせません。豊かなコミュニケーション活動は豊かな心から、そして豊かな心は家庭から育まれるものだと思います。人生の喜怒哀楽をどう分かち合い、どう乗り越えていくのかが心の成長となっていくのではないでしょうか。どんなに英語の知識や技術があっても、心が育っていないと豊かなコミュニケーションは生まれません。ここに、心と技術のバランスの大切さがあります。失敗を繰り返しながらでも、少しずつコミュニケーション上手になっていきたいものです。


 

今月のへぇー

 

 海外に行って言葉が分からなくてもジェスチャーでどうにかなる、と豪語(?)する人もいますが、同じジェスチャーでも、全く意味の異なるものもあります。
例えば、親指と人差し指で○をつくる。日本ではお金を意味しますが、アメリカなどでは、OKのこと。日本で、「こっちに来て」のジェスチャーは、アメリカなどでは、Go away!(あっちに行け)の意味。知らないと、とんでもないことが起こるかもしれません。へぇー。


 

連載特集
ガンバレ達也君、沙耶ちゃん!

 

 いよいよ通学が始まりました。達也のミドルスクールは、日本の中学校と一緒で、教科ごとに先生も変わります。そして、教室も移動します(日本の大学のよう)。数学・美術・体育は、レギュラーのクラスでアメリカ人の子供達と同じに授業を受けています。国語(英語)・理科・社会は、E.S.L.クラスといって、英語を母国語としない子供達のクラスでの授業になります。達也のクラスにも、メキシコ人、デンマーク人、中国人などいろいろな国の子がいます。幸いにも日本人の子も1人いました。その子は、もう2年ここにいてかなりの会話力なのですが、それでもE.S.L.クラスなのです。E.S.L.から卒業するのはかなり至難の技のようです。彼がいてくれたおかげで、わからない事は何でも日本語で聞くことができ、最初からわりとスムーズに通学してくれました。授業を理解するのは、とても大変そうですが、1ヶ月たった今は、デンマーク人の子と片言の英語で会話したり、中国人と漢字で筆談したりして、それなりにエンジョイしているようです。
沙耶の方はキンダーなので、勉強は少しで、あとは日本の幼稚園と同じく、絵を描いたり、工作したりの遊びが多いため、親としても心配が少ないです。宿題の読書は、親子で大変ですが、私にとっても勉強になっています。沙耶のクラスにも、1人だけ日本人の子(永住の方)がいたので、こちらがあっけにとられるぐらい、初日はスーっと仲間に入っていったのですが、3日目からその子が1週間旅行に出かけて欠席だったため、「何、言ってるかわからないから、つまらない」とか言ってぐずりだしました。そこで、その日から私も一緒に教室にいるようにしました。その子が戻ってきても、朝送って行くと、「帰らないで」と言う日が続き、2週間くらいは付いていました。1ヶ月たった今は、普通に通学しています。毎日2~3個ずつではありますが、新しい単語も覚えて帰ってくるようになり、少しホッとしているところです。沙耶のクラスにもいろいろな人種の子達がいて、ここは、まさに“アメリカ合衆国”です。
1997年5月 平野悦子


 

編集後記

 

He who hurts another hurts himself. (他人を傷つけるものは、自分自身を傷つける)
古くからある英語の諺で、起源は聖書の黄金律にあります。もし私たちが誰かの気持ちを傷つけたり、誰かに害を与えたりしたら、それがはね返って同じように自分が扱われることを覚悟しなければいけないということです。今でも使われる諺は、やはりそこに人生の真髄があるように思います。逆の発想で考えれば、自分に言って欲しい、やって欲しいと思うことを人にしてあげることによって、やがては自分に返ってくるということでしょう。期待せず、自然にそうありたいものです。


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