NEWS
2011/01/01

2011年01月号(Vol.174)総合英語クラス(GE) ってどんな勉強するの?


総合英語クラス(GE)
ってどんな勉強するの?

 ニッセイトは1973年創立以来、児童英語教育のあるべき姿を追い求め、いろいろな試行錯誤を重ねてきました。ニッセイトの特長であるコーディネーターシステム、ネイティブ講師が担当する『英会話クラス』、そして日本人講師が担当する『総合英語(GE)クラス』は、ニッセイト教育システムの核です。今月号は、『総合英語クラス』を改めてご紹介させていただきます。


 英語の読みにカタカナをふるのは悪癖?

 言葉の学習には「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能が求められます。大切なのは年齢に合わせてバランス良く学習していくことです。では、「バランス良く」とはどういうタイミングで学習することがより効率的なのでしょうか? 

 ニッセイトでは、まず幼児期には「英会話クラス」、そして、小学校1、2年生くらいで『総合英語クラス』を合わせて履修していけるようコース設定をしています。 

 「英会話クラス」は、英語を使わなければいけないという必然性が必要です。子供たちも最初は伝えたいことも伝わらず苦労しますが、日本語で言っても伝わらないとことがわかってくると日本語を使うことを諦め、徐々に英語で伝えようと努力を始めます。そうすることで徐々に頭の中に英語の回路が育ちます。そのためにも、「英会話クラス」は外国人講師であるべきと考えています。幼児期に、「聞く」「話す」を中心に英語を言葉として使う感覚を養い、小学生くらいから「読み」「書き」を導入し、文字を通して効率良く学習していくことが理想です。文法学習も軽視できません。中学校、高校と進み英語が好きでいられるのは「わかるから」です。どんなに小学校時代に英語を楽しく学習していても、中学校で成績が悪いとだんだんと自信を失い、嫌いになってしまうことさえあります。中学校入学前に文法の基礎力を養うことは非常に大切です。

 さて、ネイティブ講師に習っていれば「会話力」は自然と上達するでしょうか?そんなことはありませんね。インプットがなければアウトプットはできません。日本語もそうですが、赤ちゃんはたくさん見聞きした言葉から発するようになります。赤ちゃんにたくさん語りかけてあげることが大切なように、英語もたくさん見たり聞いたり、そして読んだりして語彙や言い回しを増やしていく必要があります。少ない時間で効率的にレベルを上げるには、「読める」ことは不可欠といえます。

 時々、子供たちのテキストにカタカナで読み方がふられているのを目にします。例えば、”I’m fine, thank you.”・であれば、「アイム ファイン サンキュー」といったように。しかし、「f」や「th」の音は日本語に存在しませんから、その音を日本語で表記するのは不可能です。英語をいつも日本語に置き換えてしまう悪癖もつきかねません。初期の段階ではやむを得ないとしても、なるべくカタカナに頼らないで読めるようにしたいものです。では、英語圏の子供たちは、どうやって英語を読む練習をしているのでしょうか? 実はその学習方法が、『フォニックス』なのです。


『フォニックスって何?』

 『フォニックス法』とは、音と文字の規則性を学習し、その規則に従って自力で文字、文章を読めるようにする指導法です。英語の約75%が、このフォニックスの文字と音の規則性とパターンに沿っていると言われていますので、ルールとパターンをしっかり覚えれば、英語の発音もスペルもより簡単に覚えることができるというわけです。

例えば、「d」は、「ディー」というアルファベットの読み方以外に「ドゥ」という本来の音を持っています。「o(オウ)」には「オ」、「g(ジー)」には、「グ」という音があります。「abcd」は敢えてカタカナで表記すれば「アブクドゥ」となります。そのようにまずはアルファベット26文字のひとつひとつの音を学習します。次に音の足し算を行います。「a」+「p」=「ap」となるわけです。そして次に3文字足し算です。「ap」の前に、「c」「m」「t」などを入れ替えて読む練習をします。すると、cap-map-tap-nap
など3文字単語が割とすんなり読めるようになります。

また、英語の「hat(帽子)」と「hut(小屋)」はカタカナで書けば、両方とも「ハット」と記されますが、発音は全く異なります。しかし、フォニックスをしっかり学んだ人は「u」と「a」の母音の違いが分かりますので、読む時も書く時もその違いに注意を払うことができます。ですからフォニックス学習をすることにより正しい発音が身に着くというメリットも生まれます。願わくば文字で見る前にそれらの単語を音で既に知っていることが理想です。「cap」を読めた時、「帽子って英語でこう書くんだ」と文字を通してその単語を再認識でき、定着がより確かなものとなるからです。

 では、「総合英語クラス」のレベル別目標をご紹介します。

 最初のレベルである「GE7」の目的は、「読めることの楽しさ」を味わうことにあります。初期の段階では、文字に興味を持てるようアルファベットの文字を使っていろいろなゲームも行います。「まだ小学生の低学年なのに、学校が終わって、会話クラスに加えて総合英語のお勉強って子供に負担がかからないかしら?」と心配される方もいらっしゃいますが、子供たちからは、「楽しい!」といった声が圧倒的です。 「GE6」では、フォニックス学習により読める単語の幅を広げ応用力を養います。副読本にも挑戦し、読む楽しさを味わうことを目標としています。

 次の「GE5」以降のクラスでは、文法学習が中心となります。単数形、複数形の書き換え、疑問文、否定文の作り方、疑問詞を使った疑問文の作り方など今まで「会話クラス」で学習してきた内容を、概念的に整理することを目標とします。また、「GE5」では、英検の5級、4級、「GE4」では英検の3級、「GE3」では英検準2級、「GE2」で英検2級をひとつの目標として取り組みます。やればやるだけ上達をはっきり感じることができることも「総合英語クラス」の最大のメリットといえるのではないでしょうか。


 編集後記

There is no royal road to learning. (学問に王道なし)

 「王道」とは、安易な方法、近道ということ。ですから、この諺は「学習に楽な方法はない」という意味です。コツコツ努力する人が最終的に英語をモノにします。とは言え、常に学習効率は考えるようにしたいものです。やりたいこと、やらなければいけないことがたくさんあれば、限られた時間を有効に使うしかありません。英語学習では、よく「○年も通っているのに…」といった嘆きの声を聞くこともあります。ただ通っていても力はつきません。やはり「目標を持って、効率良くコツコツ!」が基本なのだと思います。