2009年05月号(Vol.156)小3で英検準2級合格 創立以来の快挙!
小3で英検準2級合格
創立以来の快挙!
保護者の方も学生時代、英検を受けられた方は多いのではないでしょうか。「英検」の正式名称は「実用英語技能検定」です。実用的な英語力を計る目的で作られ、初級の5級から4級、3級、準2級、2級、準1級、そして最終目標となる1級まで7つの級に分かれています。試験は年に3回実施され、年間に約250万人が受験。今月は英検を特集します。
英検はいつから受けられますか?
ニッセイトでも年々、英検の受験者は増え、また受験する年齢も低年齢化しています。「英検はいつ頃受けられますか?」といった質問も多く寄せられます。周りのお子さんが受験していたりするとつい焦ってしまったりもしますが、初期の段階ではあまり気にされなくても良いと思います。ニッセイトでは、通常、英検の受験をお勧めするのは、「会話クラス」で既に数年間、英語に親しみ、なおかつ総合英語クラスを履修して2~3年経過した小学2年生以上の生徒さんです。
総合クラスの1年目は、【GE7】と呼び、アルファベットの定着、フォニックス学習を通して3文字、4文字がしっかり読めて書けるようにすることを目的にしています。2年目は【GE6】です。このレベルでは、フォニックス学習を更に深め二重母音や連続子音の法則等を学び、読める量を増やします。また英語絵本を用いて応用力をつけ、読む楽しさを味わいます。3年目が【GE5】で、いよいよ文法的な学習が始まります。単数形、複数形の違い、疑問文の作り方、疑問詞を使った疑問文など、音としては理解している内容を文字を通して概念的に整理することを目的にしています。
英検の5級の受験を勧めるのは、このレベルに達したお子さんたちです。英検5級を目標として勉強するのではなく、受けてみたらそのくらいの実力がついていたというのが理想だと考えています。あまり初めから英検を意識してしまうと、「英語」の学習がテストのためという認識を植えつけてしまいかねません。講師は、機が熟した頃を見計らって生徒さんたちに、「そろそろ受験してみませんか?」とご案内するようにしています。
※上記チャートは、英検のホームページより
(http://www.eiken.or.jp/)
学習モチベーションを高めるために
さて、英会話能力はなかなか上達の見えにくいものです。見えにくいだけに日頃の学習モチベーションも上がらず、学習意欲が停滞しているといった不安を持たれる保護者の方も少なくないようです。そんな場合に利用して欲しいのがこういった資格試験です。英検も4級までは基本的な内容ですので日頃のレッスンさえしっかり取り組んでいればさほど特別な対策を取らなくても合格できますが、3級以上ではそうもいきません。語いを増やさないと問題を読んでもチンプンカンプン。計画的に単語や熟語を覚えるという作業が必要です。また、どのような問題が出題されるのか傾向と対策を練る必要があります。基本的には、語いを覚え、過去問題に取り組むことが望まれます。また、目標を持つことで、学習にもメリハリが出てくることでしょう。高い目標を持ちながら日々努力するのと、家庭で何もせずに教室に通うだけでは、その期間の学習成果は雲泥の差です。
今月は、家庭学習にうまく「英検」を取り入れ、短期間に実力をすごく伸ばした荒川唯ちゃん(現小4)を紹介します。唯ちゃんは、小1の秋にニッセイトの川越スクールに入学し、初めて本格的に英語の学習を始めました。そして2年半という短期間に準2級合格。ニッセイト創立以来の快挙です。
お母さんと一緒だから楽しかった
–ニッセイトの入学前は、どちらかで英語の学習をされていたのですか?
(母)いいえ。小学校に入り、たまに外国人の先生が学校に来てくれたのですが、ある時、唯は走って帰ってきて、ドアを開けるなり、「ママ、英語楽しい! 毎日やりたい!」と言ってきたのです。それまで、英語は考えてもいなかったのでビックリでした。
それから、お友だちにニッセイトを紹介していただき、小1の秋に入学。初年度は会話クラスだけでしたが、その翌年からは総合英語クラスも履修しました。入学後2年くらい経ち、だいぶ読めるようになってきたところで、英検5級を勧められ、どんなものかと過去問題集を買ってやってみたんです。解きながら覚えていくという感じだったのですが、わりと簡単にできていました。リスニングはほとんど何もしないでもできていました。一通り問題集を終えて、次に4級の問題集をやってみようかということになり、分からないところは解説書を読みながら勉強しました。
–4級に受かったのはいつでした?
(母)受けてないんです。問題集をやったらほぼできていたので、受けたのは3級からです。
–3級はいつ合格されたのですか?
(母)去年の秋です。
–入学して2年で英検3級、その3ヵ月後に準2級合格ですか?本当に驚いてしまいますね!
(母)唯には、中1の兄がいるのですが、私としてはむしろ唯の兄のほうがビックリでした。彼はバレエを毎日習っていて英語に通えていないんですね。でも、自分で勉強すると言って毎朝、「基礎1」と「基礎2」のラジオ講座を聞いて、1年足らずで3級に合格することができました。
–素晴らしいですね。英語教室にも通わず、しかも1年足らずの独学で3級合格ですか…。どんな学習をされてきたのですか?
(母)やはり3級になると知らない単語が多く、「3級の単語、熟語集」を買って勉強しました。
–(唯ちゃんに質問)英語はどんなところがところが好き?
(唯)外国に行ってもいろいろな人とお話ができるから楽しいです。
–外国は今までどんなところに行った?
(唯)オーストラリアとグアムです。
–英語はいっぱい話せましたか?
(母)オーストラリアの人はとてもフレンドリーなんですね。気軽に子どもたちに話しかけてきてくれ、子どもたちも答えるだけなのですが、会話を楽しんでいたようです。
英検の勉強は大変だった?
(唯)楽しかった!
–何が楽しかったの?
(唯)お母さんと一緒に勉強できるから(笑)。
–唯ちゃんにとっては、勉強しているというより、お母さんと一緒に取り組んでいること自体が楽しかったんですね。
(母)私自身、英語は苦手なので、3級や準2級にもなるとどうやって手伝ってあげたらいいのか分からなくなってきています。でも、子どもがやっているので、私も乗っかって一緒に楽しもうかなと思っています。多分、自分ひとりだったら、やらないと思いますから。
■唯ちゃんは、英検のための学習を全く負担に感じていないようでした。お母さんも全く無理強いすることなく、「英検」を自分のための勉強とも考え、うまく唯ちゃんのやる気を引き出しながら二人三脚で英検の準備学習にも取り組んできたようです。唯ちゃん自身も、お母さんと一緒の時間を持てることに喜びを感じているようでした。低学年ながらも短期間に英検準2級に合格することができた秘訣はここにありそうです。
編集後記
One man is no man.
(人はひとりではたいしたことができない)
ひとりではできなくても二人ならできることってありますよね。最初は心細いこともあるでしょう。やっているうちに気持ちがめげてしまうこともあります。でも見てくれている人がいる、助けてくれる人がいると思えば、辛いことも乗り越えられたりします。ひとりで目標を立て、ひとりで実行することはとても困難なことですが、一緒にゴールを目指す人がいれば心強くもあり、楽しくもなれるのでしょう。高学年では、同じような目標を持つお友達を誘って一緒に勉強会を持つのもいいかもしれませんね。どの年齢でも学習のパートナーの存在は大きいようです。