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2006/05/01

2006年05月号(Vol.123)目指せ、奨学生!


 目指せ、奨学生!

 枝里子さん(現高1)と瑛子さん(現中1)は、2005年度の英検で見事、2級に合格。2006年度のニッセイト奨学生に認定されました。


奨学生制度

対象および条件

『会話クラス』『総合英語クラス』の両クラスを履修し、3年間以上在籍していること。

授業態度、成績ともに優秀であり、出席率が90%以上であること。
③ ニッセイトの催すイベント・プログラムに積極的に参加していること。

中学卒業時までに実用英語検定試験2級以上に合格していること。



 「英検2級」は、英語の学習者にとってひとつの大きな目標になります。2級合格は、社会からも「日常生活で困らない英語力を持つ」とみなされているからです。春休みに、二人の奨学生授賞式を行い、また保護者の方と共に茶話会を催しました。


文法も教えてくるところが魅力です

 最初のインタビューは、枝里子さんとお母さんです。

–入学はいつでした?
母:小学校1年の時です。それまで別の英会話教室に通っていたのですが、お遊び中心で、「このままではいけない!」と感じ、電話帳でいろいろ探し、体験レッスンを受けました。ニッセイトは、能力に応じてクラスが編成され、カリキュラム、レッスン内容が充実しているので決めました。

–福徳さんには、以前からたくさんの方を紹介していただいています。ニッセイトのどんなところをアピールしていただいているのでしょう?
母:一番は娘が2人とも英語が大好きになったということです。それから枝里子の場合、学校の英語もニッセイトの勉強をするだけで問題が無かったので、「英会話はもちろん、学校で必要な文法もしっかり身につきます」ってお話しています。私も小学生の頃、ネイティブの先生に会話を習っていたのですが、うわべだけの英語しか身につかなかったように思います。その経験からも、ニッセイトは文法的なこともしっかり教えてくれる点が良いと思います。

–ありがとうございます。しかし、通うだけでは英検2級には合格しません(笑)。やはり本人の努力があったらこそだと思います。枝里子さんの場合、集中力や吸収力には素晴らしいものがあります。
母:確かに集中力はありますね。集中して読書や勉強しているときは何を話しかけても聞こえませんから(笑)。

–読書は小さい頃から好きでしたか?
母:はい。主人が読書家でいつも本を読んでいるので、その影響が強いと思います。

–今でも本はよく読みますか?
Eriko:
はい。うちの学校は国語にすごく力を入れているので、1学期間に近代文学の小説の課題図書が6冊あります。ですから、読みたい、読みたくないというより読まなくてはいけないのです(笑)。ただ、シリーズ物はハマルと一気に読んでしまいます。ハリーポッターは1日に1冊のペースで全巻読みました。

–それは、すごい。他に習い事は?
Eriko:
今は英語とピアノだけです。
母:今まで、いろいろな習い事等をやってきました。水泳、スキー、テニス、数学,それに学校のクラブ活動・・・。好奇心旺盛なんですね。でも、主人と私は、子どもにはできるだけたくさんの経験をさせたいと考えています。そして、いろいろな人たち(国を越えて)と接する機会を与えたいと。最終的には、その中から本人がやりたいことを見つけえくれれば良いと思います。ただ、ピアノだけは音楽にも触れていて欲しいという親の願いで続けさせています。
Eriko:練習しなくてもいいからという条件で、月に1回90分だけ習っています(笑)。

–英語が自分は話せるって感じ始めたのはいつ頃?
Eriko:
中学校ではネイティブの先生のレッスンがあり、1年の頃、周りの友だちは先生が何を言っているのか分からないって困っていたのですが、私は理解できたので、改めて「英語がわかる!」ことを意識しました。

–将来の夢は?
Eriko:
司法試験に合格し、だからといって弁護士になるのではなく、その資格と英語を活かして幅広く活躍できるような社会人になりたいと思います。

–後輩に何かアドバイスをお願いします!
Eriko:
時間がなくて英語を勉強できないという人がいますが、時間は工夫して作るものだと思います。また、順番が来ても先生から指されてもあまり話さない人がいますが、これはもったいないと思います。英語は話さないと上手くなれないと思うので、もっと積極的に話すべきだと思います。


小学校の英語ではアシスタント講師役

 次にご紹介するのは瑛子さん。入学から4年で英検2級の合格は素晴らしい快挙です。瑛子さんは、今まで何度かクラスが替わってきました。物足りなくなってきているのを講師が察し、上のレベルを案内してきたのです。いつも宿題はもちろん、それ以上に英語学習に取り組んできました。

–ご家庭では今までどのように英語を勉強してこられたのですか?
母:瑛子は、やらせないとのんびりしていて全然やらないんですよ。でも、難しい課題を与えるとそれに食らいついてきます。小学校2年生の頃は、OXFORD出版の「Reading
Tree」というCD付き絵本を使ってよく一緒に練習しました。レベルを間違えて難しいものを買ってしまったんですけど、何度も聞かせているうちにほとんど全部、暗記してしまいました。その頃のほうが、発音も良かったように思います。

–発音はやはりどれだけ正しい音を聴いたかに比例します。発音を良くするにはたくさん聴いてマネルことですから。
母:発音と言えば、中学校に入り、授業でわざと日本語英語の発音で読んだりする生徒さんが多いとか。

–確かに学校によっては発音がいいとと「恰好つけている」と言われたり、からかいの対象にもなることがあるようですね。
母:これって、絶対おかしいですよね。瑛子には「わざと日本語英語で発音するようなことは絶対にいけない。これからの国際社会を生き抜いていくにはそれくらいの気概が必要だ」ってよく言い聞かせています。

–同感です。
母:日本は英語に対して非常にコンプレックスの強い国なんですよね。そういったコンプレックスが社会の歪みを引き起こしているのではないかと感じます。学校での英語の授業に関してもそうです。ピアノや水泳ができても特別視されません。また、ピアノや水泳ができる生徒さんは別の課題が用意されていたりします。ですが、公立の中学校の英語は、全員がABCからなんですね。これは、水泳のできる生徒に顔を水につける練習をさせるのと同じです。もっと、臨機応変な対応が必要だと思うのです。最近の大学生は、英語の全くできない学生とできる学生が二極化していると聞きます。英語が嫌いな学生は英語に対して拒否反応さえ示すそうです。一緒くたに授業をやるからこういったことになるのではないでしょうか。ですから、なおさら英語は無邪気に楽しめる時期にニッセイトのようなところで楽しく英語に触れる体験を持つことがとても大切だと思います。そして、「自分の言いたいことを工夫して伝えられたことに達成感を感じられる」ような授業こそが大切だと感じます。

–興味深いお話ですね。            
 英語ははどんなところが楽しい?
Eiko:
小学校にはネイティブの先生が週に1回来ます。最初は担任の先生がアシスタントだったのですが、途中からネイティブの先生に指名され、私がアシスタントをするようになりました。皆の前で先生とスキットの模範を行ったりして、「英語ができると楽しい」って実感しました。
 それに、先生や友だちと英語で話をするのも楽しいです。単語やフレーズは知っていてもなかなかすぐに口から出ません。でも、先生や友だちの英語を聞いていると「ああ、そう言えばいいのか!」って気付かされることがたくさんあり、すごく勉強になります。

–映画はよく観るの?
Eiko:
はい。家に“The Sound of
Music”のビデオがあるのですが、4回目くらいから子どもたちのセリフが聞き取れるようになってきたので嬉しかったです。レンタルビデオは妹が日本語の吹き替え版にしたがるですが、私がいつも無理やり「英語を聞きたいから」と字幕版を借りてきます。でも、字幕があるとつい読んでしまうので、字幕は隠して観るようにしています。

–やはり日々の努力が着実に実力を生んでいるんですね。これからの活躍が楽しみです。

*瑛子さんのインタビューは、昨年のニッセイトニュース4月号でも特集掲載しています。バックナンバーはHPでご覧になれます。


◆二人とも自分の考えを持ち、それをしっかりと伝える姿に感心しました。英語力だけでなく精神的にも成長を感じ、しっかりした母国語の力も養っていることが伺えます。これからの国際社会において英語はもはや欠かせません。しかし、英語はあくまで道具。伝える中身がなくては始まりません。ニッセイトを巣立った多くの子どもたちがこれからの国際社会で物怖じすることなく、お互いの違いを受け入れ、自分の意見を堂々と発言できるようになっていって欲しいと願っています。


編集後記

Who likes not his business, his
business likes not
him.
(好きこそ物の上手なれ)

 人は好きなことに時間を惜しみません。夢中になっている時が一番上達している時でもあると思います。奨学生となった二人の共通点は「英語が大好き」ということ。また、二人とも共通して読書家です。英語力を伸ばすのに母国語の力は欠かせません。小さいうちから子どもが本に親しめる環境づくりは大人の大切な役割ではないでしょうか。