2000年1月号(Vol.52)クリスマス・パーティー -英語の紙芝居を通して
迎春。皆様にとってこの一年が素晴らしい2000年の幕開けとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。
さて、昨年12月、ニッセイトでは各スクールでクリスマス・パーティーが催されました。クリスマス・ツリーとともに子供たちの用意したクリスマス・ストッキングが華やかに教室を彩り、ゲームや歌を交えた楽しいパーティーとなりました。中でも子供たちやお母さん方が演じた(?)紙芝居は、とても素晴らしいものに…。
紙芝居に求めていること
小学生パーティーのメインプログラムは、英語の紙芝居『Frosty the Snowman』。紙芝居の導入は、昨年の『赤鼻のトナカイ、ルドルフ』に続いて2作目です。この紙芝居は、子供たちにとって「発表の場」でもあります。練習は11月より開始しました。最初は15分、そして30分。12月に入ってからは、曜日ごとにクラスが合流しての練習に。クラスによっては、まだGE(総合英語)クラスを取り始めて日が浅く、英語の文章を読むのが大変な生徒、かたや英検の5級、4級にも合格し、すらすらと読みこなせる生徒とが一緒だったり…。年齢も異なるため、初めのうちは、生徒同士もギクシャクしていましたが、練習を重ねるうちに少しずつ連帯感も生まれ、ひとつの和が育ってきました。また、棒読みだった生徒も、徐々にイメージを膨らませ、臨場感溢れる仕上がりに…。
そこで、改めてニッセイトがこの紙芝居を通して期待している学習目的を考えてみました。
・発表の場を設ける
・想像力を養い、それを表現する
・英語のことば(喜怒哀楽)を楽しみながら味わう
・英語を使った言葉のキャッチボールを実感する
・生徒たちの相互活動の場とする
などがそうです。私たちが目指す英語教育は、単に知識を増やすだけでなく、英語を言葉として体験し、コミュニケーションの道具として学習していくことです。紙芝居を楽しみながら、一生懸命演じている子供たちを見ていて、その方向性が間違っていないことを改めて確信しました。
お母さんも大奮闘!
一部の幼児クラスでは、この紙芝居をお母さん方にもやっていただきました。
「私、英語苦手だったのにー!」
「なるべくセリフの少ない役を…」
「私はパス! えっ、役が足りない?……」
「発音のテープを作っていただけないですか?」
半ば強引に(?)配役が決まり、スタッフが録音したテープをお渡ししたものの、全員が集まっての合同練習もできないまま本番当日。緊張を隠せないで子供たちの前に立つお母さんに、「がんばってー!」と子供たちから声援。お母さん方も久々に見られる立場に緊張感を覚えながらも、子供たちに負けずと一生懸命、紙芝居『Frosty』を演じていました。中には、お母さんの練習を聞いていて覚えてしまったらしく、セリフのところで一緒に発声している子がいたり、『Frosty』の歌を一緒に口ずさんでいる子がいたり。練習の時間を共有していたことがうかがい知れます。
また、「私がプレッシャーに感じながら練習に取り組んでいるのを見て、息子が喜んでいるんですよ。いつもと逆なものですから。悔しくて…(笑い)」と、語ってくれたお母さんもいました。その子は、お母さんたちの演じる紙芝居を熱心に見ていて、大きな拍手を送っていました。お母さんの一生懸命さに、きっと伝わったことも大きかったことでしょう。
「紙芝居」をきっかけに、ご家庭の中でコミュニケーションが活性化したり、何か発見があったことをお聞きし、とても嬉しく思いました。参加者皆が主人公、そして楽しめるものをこれからも考えていきたいと思います。
クリスマス・パーティーを終え、感想文を寄せていただきましたのでご紹介しましょう。
『Frosty』の紙芝居を見て
思えば1年前、初めてのクリスマス会に少し不安そうに、でもワクワクしながらお友達の演じる『ルドルフ』を見ていたのを思い出します。来年は、皆とまざってちゃんとできるかなと思ったものです。
台本をもらい、真っ先に『Frosty』の歌にとびつき、その日から我が家では車の中でも家の中でも常に『Frosty』の歌が流れていました。4歳の弟も “Snowman”だけは言えるようになって、歌に合わせて踊っていました。息子の台本を見るとカタカナで読み方が書かれてあり、「ああ、がんばって練習しているな」と嬉しくなりました。
忙しさにかまけてほとんど練習に付き合ってやれませんでしたが、本番の紙芝居はとても熱が入り、みんな一人一人が輝き、とても楽しく見ていられました。
英語の紙芝居という初めての体験、これからもこの体験を経験として、一つ一つ力にしていって欲しいと思っています。
川越スクール 石井まり子(雄貴<小3>、裕幸<4歳>の母)
英検(実用英語技能検定試験)合格者発表
平成11年度 第二回(10月実施)
5級 島井智士(小4) 谷島瑞穂(中1) 雨宮里美(中2)
4級 斉藤貴広(小6)
3級 平澤絢香(中2) 大橋由乃(中2) H.T.(中2) 周東未希(中2)
準2級 大谷幸(中2) 内藤香織(中3) 鈴木顕(中3) 掛井結加(高1) 本城渚帆(高2)
これって英語?
ペンション ~pension~
「冬休みには長野のペンションで過ごしたの。」なんて方もいらっしゃるかしら? ところで、英語で“pension”と言うと、「年金」という意味になるのです。民宿風の小さなホテルを指す「ペンション」という言葉は、フランス語の“pension(発音はパンシオン)”から来たもので、英語では “resort inn”と言います。それにしても、「ペンション暮らししてみたい」なんて切り出した話が「年金暮らし」と取られては、えらい違いになってしまいますね。
編集後記
The shoe is on the other foot.
(形勢の逆転)
見る立場が、見られる立場になった時、教える立場が習う立場になった時、ドキッとすることがあります。相手の立場になって初めて気づいたり、それまでの理不尽を反省させられたり…。意識的にそういった機会を持つことが必要なのかもしれません。相手を理解するためには、相手の立場に立つ。本当は基本なんですけどね…。