英語は神の視点?!~日本語と英語の視点の違いについて~
みなさん、こんにちは!!!
川越スクールGE講師のSHIORIです。
暦の上では冬となり日増しに寒くなってきましたね!
風邪を引かないよう気を付けていきましょうね。
さて、英作文や和訳の添削をしていると、日本語と英語の作り方って全く違うなぁと感じます。
日本語を英語に訳すときは、主語が欠けていることが多いので足さなくてはいけないし、
英語を日本語に訳すときに主語をそのまま訳してしまうと不自然な日本語になってしまったり・・。
英語と日本語ではそもそも見ている視点が違うのだそう。
言語類型論が専門で、カナダ在住の日本人言語学者である金谷武洋氏は、
著書である『英語にも主語はなかった 日本語文法から言語千年史へ』の中で、
英語を「神の視点」日本語を「虫の視点」と表現されていたのがとても興味深かったのでご紹介します。
神の視点とは、空の上から“私”のいる世界を見下ろしているイメージです。
“私”自身を“神”の視点から眺めるもう一人の私がいる。
その視点に立って、文の中で表されるすべての物事を
”だれ(主語 I, We, You, He, They など)“ が ”いつ“ ”何を(目的語)“ ”した(動詞)“
と客観的に表現します。
一方で虫の視点(=地上の視点)はというと、地上にいて状況に入り込んでいるため、
一人称である「私」は自分には見えないから、客観視することはない。
なので主語が言われなかったりあいまいであったりするのだそうです。
金谷氏が神の視点と虫の視点を表す例として挙げていたのが、川端康成の『雪国』の有名な冒頭部分です。
日本語: 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった
英語(翻訳版): The train came out of the long tunnel into the snow country.
ずいぶんと浮かんでくる印象が違いますよね!
日本語のほうは、主人公が列車の中に乗っていて窓の外を眺めていると、
暗いトンネルを抜けて明るい雪景色が現れるのをイメージするのではないでしょうか。
視点は列車内の主人公にある。(主観的)
英語は主語が 列車(The train)と明記されており、上空から列車がトンネルを抜けてくるのを
イメージしてしまいます。
視点は上空にある。(客観的)
英語と日本語では、こんなにも捉え方が違うのですね。
視点の違いを意識してみると、和訳英訳の助けになるかもしれません。
それではまた!
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