能動態を受動態に書き換える練習は必要?
中学3年になると、「能動態(主語が動作をする文)」を「受動態(動作を受ける側が主語になる文)」に書き換えた
り、逆に戻したりする練習をたくさんした記憶を持つ人は多いのではないでしょうか。では、それは本当に意味のある
練習だったのでしょうか。川越の Masa です。

さて、「能動態を受動態に書き換える意義」は、単なる文法練習にとどまらず、表現の視点を変えることにあります。
その主な意義(ねらい)は次のとおりです。
1. 主語の焦点を変えられます
能動態では「行為者(する人)」が主語になりますが、受動態では「行為を受ける人・物」が主語になります。
EX:能動態:The teacher praised the student.「先生がその生徒をほめた。」
受動態:The student was praised by the teacher.「その生徒は先生にほめられた。」
*受動態では「生徒」に焦点が当たり、主題が変わります。
- 2. 行為者を省略して客観的に言えます
誰が行為したかを強調したくない、または不明なときに便利です。
EX:The window was broken.「窓が割れていた。」→ 誰が割ったかは言わなくてもよい。
*客観的・中立的な言い方ができます。
3. 文章の流れやスタイルを整えます
英語の文では、前の文と主語をそろえると読みやすくなることがあります。
EX:Tom was injured in the accident. He was taken to the hospital.
「事故でトムはけがをした。彼は病院に運ばれた。」
*主語 “He” が続くことで文の流れが自然になります。
- 4. 科学的・公式な文体で使われます
研究報告やニュース、マニュアルなどでは、受動態が多用されます。
EX:The experiment was conducted in 2024.「実験は2024年に行われました。」
* 行為者よりも「行為の結果・過程」が重要だからです。
つまり、受動態に書き換える意義とは、「文の主題や視点を変え、伝え方を調整すること」 にあります。
では、どのような書き換え練習が効果的なのか、いくつか例を見ていきましょう。
◎以下の対話文の下線部を受動態にしましょう。そうすれば自然な対話となります。
- A: Has the homework been collected yet?「宿題もう集められた?」
B: Yeah. The teacher collected it this morning.
→Answer: It was collected (by the teacher) this morning.「うん、今朝、集められたよ。」
*「先生が集めた」よりも「集められた(=もう出せない)」という状況が大事。
- A: Has the teacher given back the test papers yet?「先生はもうテストを返した?」
B: Not yet. Maybe tomorrow.「まだ返されていないよ。たぶん明日かな。」
→ Answer: Have the test papers been given back yet?「テストはもう返された?」
*「先生が返した」よりも「テストが返ってきたか」が重要。
- A : Has your phone been stolen?「スマホ盗まれたの?」
B: I think so. Someone stole it yesterday.
→Answer: I think so. It was stolen yesterday. 「たぶんね。昨日盗まれたんだ。」
*「誰が盗ったか」よりも「盗まれた」という被害を伝えるのが自然。
- A: Has the club meeting been canceled?「部活のミーティング中止になったの?」
B: Yes. They canceled it because of the rain.
→Answer: Yes. It was canceled because of the rain. 「うん、雨のせいで中止になったよ。」
*「誰が中止にしたか」よりも「中止になったか」がポイント。
- A: Have the new worksheets been handed out yet?「新しいプリントもう配られた?」
B: Not yet. Mr. Sato will hand them out next class.
→Answer: Not yet. They’ll be handed out (by Mr. Sato) next class. 「まだ。次の授業で配られるよ。」
*「誰が配るか」よりも、「配られるか(=もう受け取れるか)」がポイント。
以上のような問題をたくさん作れれば理想的ですが、すべてを網羅するのは難しいかもしれません。それでも、
上記の4つのポイントを踏まえ、目的語を持つ文を受動態に書き換える練習は、英語の表現力を高めるうえでと
ても大切です。また、「3. 文章の流れやスタイルを整えられます」はエッセイや論文を書く際に特に役に立つと
思われます。(英語はAmiekeさんにご確認いただきました。)
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