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2018/06/02

大学入試改革と新英検

 今、日本の英語教育が大きく変わろうとしています。それは、これまでの受験偏重の英語教育では、社会に出て役に立たないということがはっきりしてきたからです。グローバル社会では、聞いて、話せて、読めて、書けるという4つのスキルを使いこなせる人材が求められています。まさにニッセイトがこれまで行ってきた英語指導が、これからの時代の英語教育に必要とされてきたわけです。


日本のスピーキング力は最下位

日本国内で働く外国人は、2008年には49万人でしたが、2016年には100万人を超えました。海外で暮らす日本人も急増しています。身近な生活の中でも英語の必要性を感じている人は増えているのではないでしょうか。
日本は、これまでも英語力を高めようと様々な取り組みを行ってきました。しかし、TOEFLスコアの国別ランキング(2016年)のデータによると、日本は、全170カ国中145位。スピーキングに限ると、全170カ国中最下位という結果でした。これでは、世界から置いてきぼりをくってしまいかねません。

 


英語2技能から4技能へ

これまでの大学入試センター試験では、読む、聞くの2技能だけが測定されてきました。しかし、グローバル化の進む国際社会では英語4技能のスキルは必須です。とは言え、短時間のテストで英語の4技能を測るテストの実施はほぼ不可能です。そのため、英語4技能を測るには、民間試験を活用しようということになりました。大学入試において採用が決定したのが、新英検CBT, TEAP, TEAP CBT, IELTS, ケンブリッジ英語検定、GTEC, TOEFL iBT, TOEICです。従来の英検は、一次試験に合格した人だけが二次試験を受けることができるため、4技能の測定が公平にできないと不採用が決まりました。英検CBTは、1日のテストで4技能が測定される構成になっています。この夏より受験が可能で、その後、毎月1回実施されます。ただし、受験できるのは英検3級から2級までで、受験できるのは年に3回までです。試験会場もかなり限定されています。2018年度の埼玉県は1会場(川越)、東京会場は5会場(池袋、他)のみです。ニッセイトのスクールの近くが、英検CBTの会場になっているのはとてもラッキーですね。

 


大学受験生のための新型英検

2019年度からは、英検CBTとは別に、大学受験生を対象とした2つの英検が誕生します。「英検2020 S-Interview 」と「英検2020 1 day」 です。前者は受験者全員が従来のような面接試験を受けます。後者は、従来の1次試験 + 録音式のスピーキング試験になります。受験生は高校3年生の4月~12月までに2回までしか受験できないというルールがあります。両方を受験し、成績の良い方を提出するといったテクニック的な対応も検討が必要かもしれません。英検準1級以上の受験者は録音式のスピーキングテストを受けられませんから、英検2020 S-Interview しか選択肢はありません。英検CBTの受験料と従来の英検とは受験料も異なりますので、いつにどの試験を受けるべきか計画性も要求されます。


民間試験の共通の物差しがCEFL

現在の高校1年生が大学受験をする年(2020年度)よりセンター試験にかわって導入される「大学入学共通テスト」に併用して採用が決まった外部英語試験は右上表に掲載されている8試験です。2024年度以降は、外部英語検定試験に一本化される見通しです。大学入試での検定試験の活用では、異なる試験の結果を共通の基準で見るために、成績表示にCEFR(セファール)が用いられます。「CEFR」は、主に欧米において普及している外国語のコミュニケーション能力を測る指標です。英検も2017年度より合否判定だけでなく、CEFRに基づきCSEスコアが表記されるようになりました。このスコアによりこれまでより客観的に4技能を評価できるようになりました。
東京大学は一時、外部試験利用は公平性が保てないと否定的なコメントを出していましたが、一転して、外部試験を利用すると方向性を公表しました。他大学もほぼこの流れに追随することでしょう。

2018-06CEFL

 


どの外部英語試験を受けるべきか

今度、どの外部英語試験を受けるべきか悩むところですが、大切なのは本物の英語力を身に付けることです。小手先の試験対策では、ある特定の試験だけの成績が取れてても他の試験では結果を出せないということになりかねません。自分が志望する大学がどの試験を推奨しているか、ネット等で入試情報を調べ、問題慣れしておくことが最善ではないでしょうか。現在公表されている大学入試情報では、ほとんどの大学が英語の外部試験として「英検」を採用しています。ただ英検でも大切なのは、何級に合格しているかよりも、英語4技能のCSEスコアが重要視されます。これまでもニッセイトの卒業生は、多くの受験生が苦手とする「話す」「聞く」「書く(英作文力)」を逆手に、実力をアピールしてきました。こういったスキルは、一朝一夕では身に付きません。ニッセイトの生徒が大学受験で有利なのも、小さい頃から「使える英語」をしっかり身に付けてきているからです。

 


(参考)グローバル大学として人気の高い秋田国際教養大学(AIU)の教養学部では、推薦入試の)募集推薦要件を下記のように記しています。
・評定平均値4.0以上
・下記の英語資格を持ている者
TOEFL iBTテスト45点以上、TOEFL PBTテスト450点
以上、TOEICテスト550点以上、英検2級以上、GTEC
CBT 800点以上、TEAP 230点以上、国連英検B級以上、
ケンブリッジ英検PET以上、IELTS バンド 5.0以上


編集後記
A bad workman always blames his tools.
(下手な職人はいつも道具のせいにする)
本当に腕のある職人はどんな道具でも使いこなせ、しっかりした結果を残せるということですね。英語というスキル上達に関しても同じことが言えそうです。本当に力のある人はどんなテストを受けても良い結果を得ることでしょう。しかし、目先のテクニックにばかりに意識が向いている人は要注意。試験パターンがちょっと異なっただけでパニックになってしまいかねません。

 


 

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