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2016/01/08

高校生、アメリカ留学1年

不安よりも楽しみが大きかった!

 


 Saya(高3)さんは、一昨年からアメリカのケンタッキー州に高校留学してきました。大学生で海外留学する人は多いですが、高校生では長期の留学をする人はそれほど多くありません。今月号は、Sayaさんに高校留学を決意したいきさつ、そして高校留学の体験談を語ってもらいました。


–英語をニッセイトで始められたのは?
年中からで、小学校に上がりGEクラスも始めました。

 

–Sayaさんは、小学校6年生で英検2級に合格でしたね。
はい。初めて受けた検定試験が英検でした。英検は自分の努力が認めてもらえているようで嬉しかったんです。だから勉強も楽しかったです。

 

–小3で英検5級、その後3年間で英検2級は快挙です。中学校は受験をされたのですか?
はい。小学生の時、都立の中高一貫校の白鴎中学校の文化祭に行き、この学校に行ってみたいという思いが強くなり受験しました。

 

–実際に入学後の英語の授業はどうでしたか?
英検2級以上を持っている人は、ネイティブ講師の特別クラスで授業を受けることができました。

 

–中学校入学時に英検2級を取得している人はそれほどいないでしょう?
私を含めて5名だけでした。

 

–えっ、1クラス5名で英語の授業をずーっと受けられのですか?
はい、そうです。でも中3の時には英検2級取得者も40名くらいになっていましたから、クラスは2クラスに分けられていました。

 

–中学生で英検2級合格者がそんなにいるなんて、授業のレベルも相当高いですね。
はい、宿題も多いです。授業では洋書を読んだり、日本のニュースを英語で発表したりしていました。

 

–留学はいつぐらいから考え始めたのですか?
中3の時に、母が「次世代育成リーダー道場(東京都教育委員会主催)」という留学制度が始まるという話をしてくれました。その後、学校でもパンフレットが配布され、行ってみたいという気持ちが高まりました。中3の時に応募した選考試験には漏れてしまいましたが、その翌年に再応募して2期生として合格。高2の夏から1年間アメリカに留学する機会を得られました。

 

–費用はどのくらいかかりましたか?
渡航費も含めて80万円でした。東京都がかなり負担してくれているようです。

 

–それは魅力的ですね。通常だと300万円はかかりますから。かなりの難関だったんでしょう?
はい。アメリカ留学の定員が100名で応募は400名以上あったそうです。

 

–それは、超狭き門。決まってからはどんな準備をしたのですか?
自分の目標としては留学前に英検準1級を合格したいと思っていたのでがんばりました。また東京都の教育委員会でも決まってから出発までの1年間にいろいろな研修がありました。月に3回ほど日曜日に参加予定者が集まり、英語の勉強をしたり、日本の文化を学ぶために、能や歌舞伎を観に行きました。

 

–1年間、海外に滞在することに不安はなかったですか?
不安よりも、楽しみの方が大きかったです。

 

–ホストファミリーはどんな家庭でした?
お父さんはパイロットでした。お母さんは妊婦さんで、私の滞在中に赤ちゃんを出産しました。子供は私より1つ下の子と、小3の姉妹です。

 

–留学中、ホームシックにはならなかったですか?
なりました。ホストファミリーの家族仲が良かったので、よく自分の家族を思い出していました。でも、帰る頃には逆ホームシックになり帰国が辛かったです。(笑)

 

–アメリカの高校には他の留学生もいたのですか?
留学生は校内に私だけでした。最初は先生や友達が何をいっているのか全然わからなくて大変でした。でも、まわりの友だちが助けてくれて、少しずつ溶け込めていけました。途中、泣いたこともたくさんありますけど。

 

–日本とアメリカの授業の違いはどんなところにありました?
アメリカの高校には文系、理系の区別がないので、自分の興味のあることを純粋に追求できることも魅力的でした。また、日本では授業中に生徒の発言を求められることはあまりなくとても静かです。でも、アメリカの授業は、常に発言が求められます。日本では分らないところを放課後、先生に聞きに行きますが、アメリカでは授業の中ですべての疑問を解決します。ですから寝ている子はいません(笑)。

 

–なるほど。アメリカでの授業についていけるようになったのはどのくらい経ってからですか?
3か月を過ぎたあたりから少しずつ分かるようになってきました。半年くらい経った頃には全く苦痛ではなくなってきました。

 

–高校の授業はどうでしたか?
日本でいう国語がとにかく大変で、辞書が離せませんでした。逆に数学は優しかったです。クラスの皆がちょっとした足し算や掛け算をするのも電卓を使っていたのには驚きました。

 

-生活面で苦労したことはありましたか?
アメリカは1人ではどこへも行けないことです。スーパーも誰かに車に乗せていってもらえないと行けません。日本の地下鉄やバスは便利だなと痛感しました。

 

–この留学経験で一番得たことは?
自分が変れたことだと思います。それまでは、意見を求められるといつも赤面していました。今ではそれもなくなりました。人前で話すことも楽しくなってきました。

 

–大学生になって留学する人は多いけど、高校生で留学を決意したのはなぜ?
年齢が増すと新しいものを受け入れにくくなると聞いたんです。実際に行って、日本であまり馴染みのない宗教観や人種間などの考え方に触れて自分の視野がどんどん広がりました。また、違う家族と生活をすることで、改めて自分の家族を見直すこともでき、とっても大きな収穫になりました。

 

 


お母さんからもひとこと

 

 日本で学べる事は多くありますが近年、海外交流が増え、考え方、見方、感じ方の違い等知る上でも柔軟な考えを持てるようになってくれればという願いがありました。次世代リーダー育成道場に合格してからの1年間、日本にいても知らなかった事を学び、成長への道が開かれている事を感じました。

 

 留学中は子供とあまり連絡を取らないように指導されていたので一週間に一度読むメールがとても楽しみでした。4ヶ月経った頃電話をかけてきたことがありました。寂しくなったのかな?と思っていたら、問題にぶつかり自分なりに答えを出したけど、私の意見も聞きたかっただけと、あっさり電話を切られてしまいました。自分で解決策を見つける力がついてきたのだと嬉しくなりました。

 

 帰国後は、日本の良さとアメリカの良さの比較をしたり、これから自分が学びたい事は何か?そしてそれを学ぶ場所は何処にあるのかなどを冷静に考え、目標を持ち、更に向上心も高まったように思えます。これらの経験を生かし成長していくことを楽しみにしています。

 


平成27年度 第2回英検合格者

 

5級
増田悠里(小2) 横澤真結子(小3)   遠藤海音(小4)
西尾美莉(小4) 川村拓幹(小4)  西陽輔(小4)
奥田菫(小5)  相沢亮太(小5)  菅谷遙介(小5)
田中雅人(小5) 小泉愛茄(小6)  小野﨑愛奈(中1)

 

4級
荒川咲希(小4) 小泉結愛(小4)  畑美登里(小4)   樋渡帆花(小5) 保刈彩菜(小5)  山下紗季(小5)   牛窪晃基(小5) 浦田望羽(中1)  宮田尚翔(中1)

 

3級
金子茉央(小4)  小笠原莉音(中1)  平塚優羽(中1)
斉藤アミン(中2) 荒井理名(中2)

 

準2級 
宮下怜大(中2)  大澤茉白(中3)  宮田一輝(中3)
加藤あかり(高1)

 

2級  
森口珠衣(中3)

 


編集後記

 

Spare the rod and spoil the child.
(可愛い子には旅をさせよ)

 

 子供のことを心配するあまり過保護になってしまうことがあるのではないでしょうか。しかし、高校生という多感な時期に大冒険ができるのは素晴らしいことです。現在、他にもニッセイトで英語を勉強してきた2名の高校生が留学をしています。出発前の感想は、「不安よりも楽しみの方が大きい!」でした。冒険に立ち向かう勇気が持てることも立派に成長している証です。