1998年12月号(Vol.40)お父さんも大奮闘!! 手作りコスチューム
お父さんも大奮闘!!
手作りコスチューム
ハロウィンのコスチューム? アイデアが浮かばない。はっきり言って苦手。忙しいのに…。デパートに行けば見映えのするいろいろな衣装が売り場を飾っています。でも、敢えて手作りコスチュームにこだわったお母さん方にそのエピソードをお尋ねしました。
やるからには本物らしく
『もののけ姫』を選んだ理由は、話題性があることと、何より琴乃が大好きでずいぶん前から紙のおめんをパパに作ってもらい、サンになりきってビデオを観ていましたので、それに決めました。
やるからには中途半端にせず、手作りで、本物らしく、をモットーに家族全員で力を合わせて準備にかかりました。特別苦労したということはありませんが、琴乃の体が小さいので、果たしてうまくいくかな? という心配はありました。でも、そんな心配をよそに、本人は『もののけ姫』になれると大喜びで、その日を指折り数えて待っていました。悩んだことは、「山犬の毛」をどうするかで、何度も何度も話し合いました。結局、着物のショールが一番近いということで、呉服屋さんから中古を譲って頂き細工をしました。
今回、子供の良き思い出づくりにパパが全面的にがんばってくれたので、大満足の『もののけ姫』ができました。そして、家族全員楽しい時間を過ごす事ができました。
池袋スクール 梅堀聖子(琴乃ちゃん〈年少〉のお母さん)
「これは捨てないでネ」
3回目ともなるとアイデアもそう簡単には思い浮かびません。日が迫っているというのに考えがまとまらず、気が焦っている私は幼稚園の先生をしている妹に泣きつき、一緒に考えてもらう事にしました。妹は一冊の本の中からスペース・スーツを着た男の子を指して「こんなのを作って着せてあげたら子供は絶対に喜ぶワヨ!」と。
それからが大変。ヘルメットの材料は家にある物で済みましたが、スーツの方は買い出しをしなくてはなりません。材料を揃えるため文具店から始まり、手芸店に行ったり、ホームセンターをあわただしくかけずり回ったり・・・。「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤の末、出来上がったのが夜中の12時を回っていました。
当日、息子は喜んで着てくれ、満足げな笑みをこぼしていました。親の苦労を知ってか知らずか、ハロウィンが終わっても「これは捨てないでネ」と今も大切にとってあります。終わってしまえば粗大ゴミ、でも息子にとっては宝物なのでしょうか。来年の事を考えると頭が痛くなりますが、息子の笑顔を想うと「又、来年も頑張らなくちゃ!」と思う楽しいハロウィンでした。
川越スクール 塩野恵美子(祐久くん〈年長〉のお母さん)
ポイントは、色使い
今回が3回目の参加。毎年何にしようかと子供とあれやこれやと考えながらコスチュームを決めています。今年の『ルパンⅢ世』は去年から決めていました。洋裁などした事のない私は四苦八苦。家にある物を利用しながら、2~3日かけて仕上げています。
1年目は『赤ずきんちゃん』。これは男なので気に入らなかったようです。その時は、赤いずきんを作り、それに毛糸で三つ編みのおさげ髪を縫い付けました。服は貰いもののスカートをはかせました。
2年目は『ピノキオ』。下の子も加わって「ダブルピノキオ」にしました。フェルトで帽子を作り、半ズボンを縫いました。
そして今年の『ルパンⅢ世』。適当に型紙を作って赤いジャケットを縫いました。コスチュームを作る上で自分なりにポイントを置いている事は、家にあるものを使うことと、その色使いです。赤・青・黄色などの原色を使って目立つようにしています。智也は、昨年の『ピノキオ』が今までで一番気に入っているようでした。
川越スクール 泉 弓子(智也くん〈年中〉のお母さん)
ちょっと憂鬱に…
正直言って、「またハロウィンのコスチュームを考えるんだなあ・・・」とちょっと憂鬱になりました。今年はどんなのにしようか、子供と相談していてもなかなか良い案が浮かばず脱線ばかり。時間だけがどんどん過ぎていきました。
上の子が学校で仮装行列に出るための衣装をビニール袋で作っているのを見て、“堅苦しく考えずに家にあるものを使えば”と思い、見回すと祐が夏休みに画用紙で作ったサッカーボールが。それを被れるように切り取り、色を塗れば『みかん星人』の頭出来上がり。次は服、ちょうど転居したばかりでエアーマットがあり、「これを洋服にしてカラーテープを貼ればいいよ」と祐の案。主人がひだを寄せたり切れ目を入れたりして型を決め、それをテープで留めました。後はカラーテープを思いのまま貼り完成。終わってみれば、とても楽しい時間を過ごすことができました。
池袋スクール 河田和子(祐くん〈小2〉のお母さん)
手作りは、気持ちが伝わる
紙面の都合で、4名の方にしかお話を伺えなかったのが残念です。各ご家庭、ハロウィンの当日までにいろいろなドラマがあったことでしょう。全部を手作りにするのは大変なのでワンポイントだけ工夫した、という方もいらっしゃいました。お父さんが加わり家族で取り組んだという裏話は、心温まる思いがしました。そんなふうにして出来上がったコスチュームは、お子さんにとっては代え難い宝物ですよね。いつまでも大事にすることでしょう。子供の感性って、こんなふうにしても養われていくんだなー、と微笑ましく思いました。
お母さんのおにぎりがコンビニのおにぎりより美味しいのは、作っている人の気持ちが伝わるからだといいます。手作りコスチュームにはそんな気持ちがいっぱい詰まっているようでした。
Halloween Costume Contest ’98
池袋スクール
ベスト・コスチューム
梅堀琴乃(年少)
アイデア賞
原田侑弥(小4)
カワイイで賞
嶋田あさひ(2歳)
川越スクール
ベスト・コスチューム
塩野祐久(年長)
アイデア賞
渡辺康平(年少)
カワイイで賞
西川優花(3歳)
今月のへぇー!
ブルガリアのあべこべイエス&ノー!
「うん、そう」、“Yes!” などと言う時、人は自然に首を縦に振っています。「いいえ」と言う時は横に振りますね。ジェスチャーは各国様々と言えども、これくらいは同じだろうと思いきや、なんとブルガリアでは反対なのです! 「はい」と言う時は首を横に、「いいえ」の時は縦に振るんだそうです。はっきり言ってややこしい! ブルガリアに旅行する時には、事前に練習した方が良さそうですね。へぇー!
編集後記
It is the time you have wasted for your rose that makes your rose so important.
(君のバラが君にとって特別なのは、君がそのバラのために時間を浪費したからだよ)
「星の王子さま」(サン・テグジュペリ著)の中できつねが王子さまに言った一文です。忙しい人は常にやらなければならないことに追われています。効率を考え、無駄を省くことに一生懸命です。“waste (浪費する、無駄にする)”とは相反します。しかし、何かのために、誰かのために自分の時間を “waste” することは、私たち人間にとってとても大切なことのように思います。