2007年02月号(Vol.131)発表会を行う意義
発表会を行う意義
ニッセイトのクリスマス発表会、皆さんはお子さんの成長をどのようにご覧になられましたか?発表会があると同じことを何度も何度も練習します。それ故、通常のレッスンは滞ってしまいがちです。しかし、ニッセイトが発表会にこだわっているのには理由があります。では、発表会を行うことにはどのような意義があるのでしょうか?
練習に時間をかけ過ぎ?
クリスマス発表会の練習にはハロウィン後の11月から約6週間をかけています。劇の発表となるとレッスン時間の大半をその練習に費やすことになります。昨年のアンケートに、「劇の練習に時間をかけ過ぎではないでしょうか?」といった意見もありました。そこで、今回、アンケートで皆さんの意見を伺ってみました。
【質問】発表会のためにレッスン時間の多くを費やすことをどう思いますか?
・何か目標に向けて練習したり、お友達と力を合わせて達成感を味わうことはとても大切だと思うので必要な時間だと思います。(年少、母<I’m
a robot.>)
・みんなの前で発表を自信をもって行うにはやはり多くの練習が必要です。練習を重ね成功することが自信につながり、また今後の英語に取り組む姿勢も変わると思います。(小1、母<Enormous
Turnip>)
・とてもいいことだと思います。友だちと協力して一つの劇を成功させる喜びを感じることは他ではないのではないでしょうか。(小1、母<Enormous Turnip>)
・発表できるくらい練習してくれないと見る人も楽しめない。中途半端なものをいくつも見せられると辛そう。(小1、母<Who stole the
cookies?>)
・発表会でうまく発表できるかは本人の努力しだい。そんな晴れ舞台に向けてのレッスンは必須だと思います。うまく発表できたときの達成感こそ、次も頑張ろうという気持ちの源になるのだと思います。(小4、母<Little
Red Riding Hood>)
・少しかけ過ぎの気がします。その間、すっかり通常レッスンの内容を忘れていくのではと気になります。(年長、母<Who stole the cookies?>)
・練習の時間はどうしても必要だと思っています。ただ普段のレッスンも充実しているので劇などの練習に多くの時間を充てることがもったいないと感じてしまうこともあります。家庭で練習し、レッスン中は限られた時間の中だけで有効的に合同練習ができるといいと思います。(年中、母<I’m
a robot.>)
●発表会を持つことに関しては賛同する意見がほとんどで、またそのために時間を取ることも必要という意見が大多数でした。ただし、最近、会話クラスと総合英語クラスの履修の仕方も多様化し、クラスを履修するメンバーが異なっています。そのため、統一した練習ができなくなり、講師が四苦八苦することも多くなりました。その後の反省会で、来年度は、会話クラスだけで練習をした方が良いのではといった話し合いが持たれました。しかし、その場合、総合英語クラスだけを履修している生徒さんたちは劇を発表する機会が無くなりますので検討を要します。皆さんのご意見も是非お聞かせ下さい。
発表会がもたらす教育効果とは?
最近、対面でのコミュニケーションを取ることに苦手意識を持つ人が増えているという話を聞きます。子どもたちの遊びはたまごっち、任天堂DS、オシャレ魔女ラブ&ベリーのように対モニターが多くなっているのも気になります。もっと子どもたち同士が対面で触れ合ったり、助け合う場が必要ではないかと危惧します。
では、発表会を行うことで何か教育効果が期待できるのでしょうか?
・練習に真剣さが増す
・人前で発表する度胸がつく
・体を使って英語を覚えられる
・達成感を味わうことができる
・頑張ったことを評価してもらえる
・保護者が節目ごとの上達を確認できる
・同じ目標を持った友達と切磋琢磨することで協調性が養われる
・他のクラスの発表を見ることにより自分のクラスと比較できる。また数年後を想像できる。
といった効果が期待できるのではないかと考えます。皆さんからいただいた感想も紹介しましょう。
【発表会の感想】(参加生徒)
・ロボットのはっぴょうのとき、みんながはくしゅしてくれたことがうれしかった。(年中、I’m a robot.)
・長い言葉をおぼえるのがむずかしかった。家でCDをきいてお母さんとたくさんれんしゅうしました。本番はうまくできてとてもうれしかったです。(小1<Enormous Turnip>)
・楽しかったです。お母さんたちの前でじょうずにできてよかったです。(小1、<Who stole the cookies?>)
・はじめてCDを聞いたときはムリかなーと思ったけど、まいにちCDを聞いているとしぜんにおぼえられて、ほんばんでは大きなこえでできてよかったです。(小1、Little
Red Riding Hood)
【発表会の感想】(保護者)
・今回3回目のクリスマスパーティーでしたが初めてみんなと一緒に前へ出て発表することができました。今までは泣いてしまい一度も歌うことができなかったのですが、今回は楽しく参加できました。(年少、母<I’m
a robot.>)
・英語で劇をやると最初に聞いた時は、「本当にできるの?」と心配していましたが、練習も楽しくでき、本番もみんなちゃんと上手にできていて安心して見ていることができました。他のクラスの発表に関しては、「あれ去年やったね」「一昨年やったね」とか「来年はあれかな?」と参考にしながら見ることができるのでいいですね。(小1、母<Enormous
Turnip>)
・年々吸収力が増しているように感じております。文字も読めていないはずの娘が台本片手に全てのセリフを練習しており、成長を感じることができました。(小2、母<Who stole the cookies?>)
・今年は、子どもが主人にも来て欲しいというので夫婦で参加しました。発表することと、ろうそくを持って歌うことを楽しみにしていた娘が生き生きしていて私共にとって大満足のひとときでした。(年長、母<Teapot>)
・とても楽しそうに演じていて、「これだから英語が好きなんだぁ」と納得させられる発表でした。一生懸命、頑張っていたと思います。今回、CDを頂いたので他の子の発表もより楽しく観たり、歌の部分を口ずさんだりするなど、一層楽しむことができ良いクリスマスになったと思います。(小3、母<Four
Goats & Bad Wolves>)
●発表会は一年の節目でもあります。毎年、この時期に感じることは一人ひとりの成長と英語の上達です。一週間単位で上達を見ることはあまりできませんが、一年では明らかに違いを感じます。またクラスの結束力も高まります。発表会に向け、クラスメートが一緒に取り組み、協力し合ってひとつのものを創り上げるという過程はとても貴重に思います。子どもたちが将来幅広く世界の人たちとも豊かなコミュニケーションが取れるようになって欲しいと切に願います。
練習用CDが役立ちました
今年度の発表会の練習で生徒さんたちは比較的、短期間でセリフを覚えてきていたように思います。セリフの練習用CDが功を奏したのかもしれませんね。昨年までは、比較的難易度の高い劇を行う生徒さんたちだけにカセットテープを家庭での練習用に渡していました。しかし、昨年度のアンケートに「家庭でも練習できるようにCDがあると助かります」とご要望がありました。そこで私たちは、今まで各レベルで行ってきた演目をひとつのCDにまとめる編集作業に取り掛かりました。演目によってはジャズチャンツのようにすでに音声教材がついているものもありましたが、オリジナルのものに関しましては私たちスタッフが声優となりました。アンケートには、CDを聞きながら「この声は、×○先生だ!」と声当てを家族で楽しんだといった感想も聞かれました。
・CDをいただいてとても良かったです。毎朝、必ず流し聞くようにしました。お陰で家族全員(母、弟も)が覚えてしまいました。(小2、母<Chicken
Little>)
・「来年は何をやるのかな?今のうちから練習しないと…」などと、お正月もCDを聴いて過ごしていました。何度も繰り返して聴いている姿は親にとって予想外の出来事でした。(小2、母<Who stole the cookies?>)
・先生方のハンドベルに感動してしまいました。そしてハンドベルの音の美しさに、口をあーんぐりと開けて聞き入る子どもたちを見て、親の私たちも忙しい中、少し頑張って子どもの成長に付き合い、向き合うことが大切なんだと気付きました。子どもばかり頑張らせていては駄目なんですね。親も頑張って初めて感動を共有できたと思いました。(小2、母)
●ハンドベルの演奏が好評で嬉しいです。ハンドベルの音色の美しさは、ベル一つ一つの持つ音の美しさですが、人に感動を与えるのは人と人が醸し出すハーモニーだからなのかもしれませんね。
プレゼント交換をなくしたことに関しては、「年齢幅のあるパーティーで誰にあたっても良いものを探すのが大変でした。プレゼント交換がなくても十分楽しめました」といった意見が多く、「無い方が良い」が69.1%で圧倒的で「あったほうが良い」は9.9%、「分からない」「無回答」が21%という結果でした。
編集後記
Never do things by halves.
(物事は中途半端にするな)
人が何かに一生懸命取り組んでいる姿を目にすると心を打たれます。仮に失敗したとしても100%頑張れたと思える時は後味もいいものです。人前で何か発表をしなければならなくなった時、緊張感が高まります。その緊張を打ち消すには練習しかありません。何度も何度も同じことを繰り返すことで、自信が生まれます。それを第三者から正当に評価された時、その自信は確固たるものに変わります。生徒さんの感想に「みんながはくしゅしてくれたことがうれしかった」とありました。来年はもっと大きな拍手をがんばった生徒さんに送りたいと思いました。