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2009/07/01

2009年07月号(Vol.158)英語でいちご狩り   デイトリップ・レポート


英語でいちご狩り
  デイトリップ・レポート

 今年のデイトリップ第一弾は秩父へいちご狩り。5月24日(日)、参加者は小学生47名、スタッフ13名、総勢60名でした。いちご狩り、バーベキュー、そしてお餅つきと食べ続けたデイトリップでしたが、一日中英語も飛び交う楽しい遠足となりました。


英語を使いたくなる環境つくり

 英語はどんなに勉強しても使わなくては使えるようにならないのは周知の通りです。しかし、教室の中だけでは英語を使う環境も限られています。「もっと実践の場を!」という要望から生まれた企画が英語の遠足「デイトリップ」です。

 各グループは6名から8名の少人数で編成され、そのグループを1名のネイティブ講師と日本人コーディネーターが担当します。しかし、ただネイティブの先生がいるから「自分から積極的に英語を話しましょう」と言ってもそう簡単にはいきません。そこで考えられたのがスタンプシステムです。参加者には事前に英語の表現集「Day Trip English」が渡されます。当日は、その小冊子に載っている英語表現を適切な場所で使うとスタンプがもらえるというシステムです。参加者はレベルにより、目標スタンプ数が設けられています。その目標数に達すると景品がもらえますので、子どもたちもゲーム感覚で楽しみながらスタンプ集めに夢中になります。また、このシステムの利点はスタンプ集めに意識が向くため、間違ったらどうしようといった心配を忘れさせてくれることにもあります。
 


 デイトリップ当日の朝、集合場所には小雨ながらも元気一杯の子どもたちが集ってきました。初参加でちょっと不安気なお子さんもいましたが、レッドアロー号に乗り、電車が秩父に着く頃までにはそんな不安もどこかに吹き飛んでしまったようです。車内では、一車両を貸切状態にしたため、他の乗客を気にすることもなく、グループの自己紹介やスタンプ集めが賑やかに進みました。

 さて、待ちに待ったいちご狩り。ビニールハウスでは、4種類のいちごが栽培されていました。静岡の紅ほっぺ、あきひめ、伊豆娘(いずっこ)、栃木のとちおとめ。どれも微妙に味が異なります。嬉しいことにどれも食べ放題。いちご好きの人にはこの上ない幸せ(*^_^*)
子どもたちは真っ赤な大きないちごをほおばりながら、”This is sweet!””This is yummy!””This is big!” と連発していました。こうやって覚えた表現はきっと忘れることはないでしょう。いちご狩りやバーベキューでは英語を使うたびにスタンプを押すのは困難です。そこで採用したのがポイントシステム。英語を使うと先生がポイントのコールをします。そのポイントの合計を覚えておいて後に加えます。いちご狩りを終えた子どもたちは、”I have 10 points.””I have 20 points.” と誇らしげに得たポイントを口にしていました。

 さて、いちごをいっぱい食べた後はバーベキューです。あれだけいちごを食べたのだからお昼は食べられないのではと思いましたが、そんな心配はご無用。子どもたちの食欲の旺盛さには驚かされました。英語で野菜や調理用具の言い方を習ったり、また、”Can
I have some water, please?” “Can I have some meat, please?””I’m
full.” と英語が飛び交っていました。
そして、食後はおもちつきです。つき終わったお餅は好みで、いちご大福、からみもち、きなこもちにして食べました。食べきれない人は、パックに入れておみやげにしました。スタンプの目標数は全員がクリア。帰りの電車の中ではメダルと景品の授与式が行われました。

 では、池袋スクールに通う未来ちゃん(小2)と川越スクールに通う義幸君(小4)の感想文を紹介します。


I like strawberries. I enjoy.
I like meat and vegetables.
I ate too much. I ate 10 strawberries!!
I was full.

英語のえん足、たのしかったです。
でん車にのっておかしをたべたり、
えいごをいってハンコをもらったりしました。
ついたときにバスがきました。そとがとてもきれいでした。いちごがりは、いちごをとってどれがあまいか、すっぱいかわかりました。また、行きたいです。バーベキューはおにくややさいをたくさんたべました。みきは、”full”
になりました。つぎは、おもちつきをやりました。ペッタン、ペッタン、おもちをつきました。つきおわったあと、いちごだいふくをつくりました。おうちでたべました。おいしかったです♪ また、いきたいです。♪ 

Miki Izumi



次に保護者の方から頂いた感想もご紹介します。

●Day Trip に参加するのは初めてだったので、どんな反応をするか楽しみでした。親の目から見ると内気で、あまり自分から先生に質問したりできないだろうと思っておりましたが、帰ってきて「楽しかった。(英語のスタンプ)グループの中で一番だった」と嬉しそうに話す姿を見たら、親の思い込みで子どもを判断してはいけないなとつくづく思いました。Day Trip に参加しても緊張してあまり楽しめないタイプだと思っていたのは大間違いでした。バーベキューももりもり食べて、全く緊張していなかったようです。お土産のいちご大福を家族に等分してくれて、皆でおいしくいただきました。おもちつきまで経験できてラッキーでした。          
 (小3男子のお母さん)


●いちご狩りとバーベキュー、どちらも普段からやらせたいと思っていたことなので、とても嬉しく企画に飛びつきました。しかも、お弁当を作らなくてよいというのでとても助かっちゃいました。池袋に住んでいるとなかなか自然に親しむ経験をさせてあげられないので、これからも釣りやキャンプのようなアウトドアの企画を立てていただけると嬉しく思います。 
 (小1女子のお母さん)


●今回は特急に乗ってかなり遠くへ行くので二人とも朝はとても緊張していた様子でした。顔がこわばったままの出発だったので心配しましたが、迎えに行った時の顔を見て、とても楽しかったんだなとすぐ分かりました。帰宅後、電車でのこと、現地での出来事などとてもワクワク話してくれました。特にいちご大福を作ったのはとてもいい思い出になったようです。Day Trip English も家で練習をし、普段の生活でも食事の時に “It’s yummy!(おいしい)I’m full.(おなかいっぱい)などと英語が自然に出てくるようになりました。教室の中のお勉強も大事ですが、実際の場面でどんどん使えるようになればいいなと思いました。これからも機会があれば参加させたいと思います。
(小1、小2女子のお母さん)


●デイトリップから帰ってきての第一声が、「これ、またないの?また行きたい!!」でした。私の顔を見て最初にこういってきたのでびっくりしたのと同時に本当に楽しかったんだなと思いました。家に帰ってからも二人が1日の出来事を楽しそうにたくさん話してくれました。
子どもたちが楽しめるように、いろいろと考えて企画してくださっているんだなということがよくわかりました。実際に英語をつかうことはまだまだ難しいふたりですが先生方の言っていることは理解でき、教室とはまた違う英語でのコミュニケーションを楽しみ、活き活きとした表情で帰ってきたことが印象的でした。こんな形で英語に触れられていけば、これからも自然に英語を受け入れられるのではないかと思いました。 
(小2、小3男子のお母さん)  


■義幸君の「今までまちがっていたらどうしようかと思い、自分から話しかけるのをまよっていました。でも、今回は前にくらべて少しは英語で話せたように思います」という言葉はとても印象的でした。英語が話せないと思っている多くの日本人の抱えている「壁」がここにあるのではないでしょうか。この壁をひとつ打ち破れたことはきっと大きな自信になったに違いありません。



編集後記

He who makes no mistakes makes nothing.
(間違いをしない者は何もできない)

 多くの日本人が英語を話せない理由に、テストの弊害が挙げられます。テストではひとつの正しい答えを求められます。これでは、間違うことに臆病になってしまいます。言葉は完全である必用はありません。相手を理解するために必死に耳を傾け、自分の言いたいことを身振り手振りを加えて必死に伝えます。そうして初めてコミュニケーションが成り立ちます。子どもたちがゲーム感覚で英語を使いながら過ごした遠足はきっとこれからの英語学習の礎となることでしょう。