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2009/10/01

2009年10月号(Vol.160)どうしたら、 英語が話せるようになる?


どうしたら、
英語が話せるようになる?

 今年のデイトリップで上野動物園に行った時です。集合した時からずーっと英語を話している男の子がいました。帰国子女ではないかと間違えるほどです。そのお子さんの名前は保坂孔雅君(小1)です。 まさに孔雅くんの姿は幼児から英語を習っている子どもたちの理想といえるのではないでしょうか。今回は彼がこれまでどのように英語を勉強してきたのかお母さんにお話を伺ってみました。

–孔雅君は海外生活をしていたわけではないんですよね。どんな風に英語を勉強されてきたのですか?
一番の影響はDVDかもしれません。

–どんなものを良く見ていたのですか?

最初に買い与えたのは「えいごリアン」です。3歳でした。商品の説明に「子どもをひきつける不思議な力がある」とあったのですが、まさにその通りでした。自分でも再現して言ってみたり、また真似っこをしながら何度も何度も見ていました。

–どのくらいの時間、見るのですか?

1日1時間ぐらいです。「えいごリアン」のDVDは5本セットだったのですが、だいたい1本を1ヶ月くらい繰り返し見ていました。

–他にはどんなDVDを見ていましたか?
「リトルチャロ」「セサミえいごワールド」「トイストーリー」「カーズ」などです。

–ディズニー映画は、英語音声だけで見ているのですか?
はい、どのくらい理解できているのかわからないのですが・・・。ただ私は聞き取れないので、私用に字幕は英語にしています。驚いたのは、「カーズ」を見ている時、涙していたんですね。ああ、ちゃんと物語を理解しているんだなって思いました。

–英会話スクールには何才から通われたのですか?
2歳です。周りのお友だちの多くがやっていたので始めていました。
ところが教室では先生の言うことは全然聞いていないし、もう「いつ辞めようか?」とそればかり考えていました(笑)。でも、そちらの先生に「この年齢では、その場にいるだけでいいんです」と言われ、その言葉に甘えて通っていたような状態でした。

–ご家庭でも何か家庭学習用をされていたのですか?

いいえ、家庭学習用のCDもありませんでしたので、家で復習したり予習したりすることもありませんでした。ニッセイトに入学してからです、家庭で一緒に英語をみてあげるようになったのは。CDを聴いて一緒に歌を覚えたり、コーディネーターの方から教えていただいたレッスンのポイントなどを聞いて、家で復習するようになりました。また、入学時にいただいた、「英語のキャッチボール」の小冊子を使って英語の語りかけなどもしました。発音は全然、自信がないんですけど。

–ニッセイトに入学は4才の時でしたね。どういった理由で移ってこられたのですか?
それまで通っていたスクールが閉じられてしまい、いろいろ探している中でニッセイトに出会いました。

–ニッセイトはどんなところを気に入っていただいたのでしょう?

スピーディーなレッスンで、1分1秒を無駄にしない感じが好印象でした。また、レッスン後にその日のレッスンの説明をしていただけるので、それを参考に家庭でも一緒に歌を歌ったり復習することができました。

–ニッセイトに移ってから何か変化はありましたか?
はい。英語を自分からしゃべるようになってきたのはニッセイトに入学してからです。

–ご両親も英語はおできになるのですか?

いいえ、二人ともまったくダメなんです(笑)。でも、だから良かったのかもしれません。国語や算数だと「なんでこんなこともわからないの!」と怒ってしまうかもしれませんが、英語だと同じ目線で取り組むことができるんです。だから孔雅もプレッシャーを感じずに楽しむことができたのかもしれません。

–なるほど、貴重なご意見ですね。保護者の中には「英語が苦手だからみてあげられない」と考えられている方も多いようですが、やはり大切なのは「英語ができる、できないに関わらず、お子さんと一緒に英語に親しむ時間を設けること」ではないかと思います。英語力は結局のところ学習量に比例します。どうしたらお子さんが、家庭で英語に興味をもってもらえるかが工夫のしどころなんですね。
–孔雅君は英語の絵本なども読めるのですか?

いいえ、今年から総合英語クラスの履修を始めましたが、まだ読めるところまではいっていないようです。ただ、最近は商店街などを歩いていても、突然立ち止まり看板の英語文字を読もうとしていたりすることが多くなりました。

–何か心配な点や今後のご要望などありましたらお聞かせください。

先生たちには大変だと思うのですが、デイトリップのような企画がもっとたくさんあるといいなと思っています。去年、初めて江ノ島水族館のデイトリップに参加させていただいたのですが、それを機にますます英語を話すことが好きになったようです。しばらくは外を歩いていても、その時に覚えた英語を使って “Oh, it’s a vending machine.(ああ、自動販売機だ)”などとひとりでも英語を口にしていました。サマースクールもまたとても楽しんでいました。

–孔雅君は毎年、デイトリップ、そしてサマースクールと参加していただいてましたね。ありがとうございます。
学習上のことで気になっていることなどはありますか?

今はまだ過去形や分詞など、文法がめちゃめちゃなので大丈夫なのかな、という点と、これから先、こういう複雑な文法を学習することで英語が嫌いにならなければいいなということです。

–二ッセイトにもいくつか帰国子女のクラスがありますが、そういったクラスに通うお子さんたちでも時制は間違えたりしています。ですから、孔雅君の場合は、今の段階では全く気にしなくていいと思います。それよりも、思っていることを言葉として使ってみることの方が大切です。時制やその他の文法は、これからたくさん英語を見聞きするなかで自然と矯正されていきます。また、これから総合英語クラス等で文法の学習を行っていくことにより、時制などの文法も意識して使い分けるようにもなっていくでしょう。
同じように英語を習わせている保護者の方にアドバイスをするとすればどんなことですか?

やはり「続ける」ことですね。私も悩んだ時期がありましたが、続けてきて良かったと実感しています。

–ありがとうございました。


会話クラス担当 John 講師

 Kouga君を教えて1年半になります。英語をもっと勉強したいという情熱を彼からいつも感じます。レッスンを休むこともほとんどありません。いつも元気一杯でレッスンが始まるのが待ちきれないといった感じです。いつも彼は、話したいことがたくさんあるようです。レッスンが始まると、今日どんなことをしたか、今週はどんなことがあったかなどを英語で話してくれます。家庭学習もかなりやられている様子がうかがえます。ですから、クラスでの歌やゲームなどもとても上手で、学習内容もしっかり理解しています。彼が恥ずかしがらず、私に話そうとする姿勢はとても好感が持てます。


■孔雅君が英語が話せるようになったポイントをまとめてみました。皆さんも参考にしてみてください。

□ DVD等で毎日、英語を視聴する習慣を持つ
□ 保護者の方が家庭学習をサポートしている
□ 親子間で英語のキャッチボールをする
□ レッスンは極力休まない
□ 教室外で英語を実際に使う場を持つ(デイトリップ等)


編集後記

Persistence pays off. (継続は力なり)

 直訳をすれば、「忍耐強く続ければ報われるでしょう」といった意味になります。「天才!成功する人々の法則」(マルコム・グラッドウェル著)の訳者勝間和代さんは、「天才になるのに必要な訓練期間をグラッドウェルは『1万時間』と明確に定義する。ちなみに1万時間は毎日8時間づつ訓練したとしても3、4年はかかる。毎日3時間づつしか訓練できないとしたら実に9年以上だ。作曲にしても、スポーツにしても、小説にしても結局、技術が必要なものについての最低の練習量は『1万時間』なのである。すなわち、ある才能が開花するまでには、およそ『1万時間』の訓練が必要だ」と解説していました。さて、自分のこれまでの英語学習総時間はいかほどか…?