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2011/10/01

2011年10月号(Vol.182)カートレースで     世界に挑戦!!


カートレースで
世界に挑戦!!

 カートレースをご存知ですか?
池袋スクールに通う広岡凌君(14才、中3)は、5月に行われた全日本選手権で見事優勝。JK(ジャパンカート)の7月号の表紙を飾りました。そして、この夏休みにデンマークで行われた世界大会に出場してきました。


カートレースとは?

4才から大人の人たちが楽しんでいるレーシングカートです。12才~15才未満はジュニア選手権がありますが、凌君はこれまでの成績が優秀だったため特例として15歳以上を対象とした全日本カート選手権に出場しました。5月に行われた東地域第1戦では、見事初優勝。エンジンは排気量125ccの水冷エンジンを搭載。スピードも最高速度は130kmにも達するという本格的なレースです。F1(フォーミュラーワン)の伝説のドライバー、故アイルトン・セナを始め多くのドライバーは幼少の頃からこのカートレースに親しんでいます。
ヨーロッパ遠征を経験してから強くなった


 お父さんとお母さんにお話をうかがいました。

–カートはいつ頃から始められたのですか?
(父)本格的に始めたのは、小学校2年生です。
それまでも、車が好きで幼少の頃から車のハンドルを握りたがりました。ですからよく私の膝の上で、運転するふりをしていました。それで、小2の時、初めてカート練習場に連れて行き、カートに乗せたのです。もういきなりアクセルを吹かしてコースを走っていました。それ以来、カートレースの魅力にはまったようです。

–普段の練習はどうしているのですか?
(母)近くにカート練習場がないので、いつも週末に主人が御殿場や潮来(茨城県)まで連れて行きます。
練習場には年にどれくらい通われているんですか?
(父)ほとんど毎週です。中1の時は年52週のうち46週末、練習場に通いました。

–本人の努力も相当だといますが、それをサポートする親も大変だということですね。レースはいつも事故と隣合わせですが心配ではありませんか?
(母)ええ、2年前に大事故に会い、両足を骨折し全治4か月でした。その時はやはり悩みましたが、でも最終的には本人次第かなと思います。入院中も車の本を見ては、いつからレースに復帰できるかをずっと気にしていましたから。

–ニッセイトの入学は3才でしたね。
(母)はい。最初の頃は、いつも教室から逃げ出そうとしてご迷惑をおかけしました(笑)。

–そんなこともありましたね。もう12年通っていただいていますね。ありがとうございます。
(母)英語とカートは好きなようで続いています。海外遠征をするようになり、ますます英語の必要性を感じ、世界中から集まったチームの人たちとコミュニケーションを取れることが楽しいようです。

–小さい頃の英語の家庭学習はどのように取り組んでいたのですか?
(母)私が英語で話しかけるというようなこともしたのですが、男の子のせいか恥ずかしがってあまり応えてくれませんでしたね。でも、以前、ニッセイトニュースでKumi先生が映画「バックツーザフューチャー」を何十回も見て覚えてしまったというようなことが書かれていましたよね。凌もそれを見習って「バックーツーザフューチャー」を何度も見ていました。覚えるまでにはいかなかったですが(笑)。車が好きだったということもあったのだと思います。

–最初の海外遠征はいつだったんですか?

(母)昨年の秋、初めてスペインに行きました。その時、ラッキーにもロト(くじ)に当たり、今年1年間、ヨーロッパ大会の出場権を得ることができました。4月にベルギー、5月にドイツ、そして7月にデンマークに行ってきました。

–1回につきどのくらい滞在されるのですか?
10日間くらいです。

–ご両親も一緒に行かれたのですか?
最初にスペインに行った時は、私たちも同行したのですが、2回目からはトレーナーの人と二人で参加しています。

–不安はないのでしょうか?
(父)初めてスペインに行った時、レースの説明会が終わった後、どのくらいミーティング内容を理解していたか確認してみると、ほとんど理解できているようでした。私よりも理解していたかもしれません(笑)。なので、むしろ私たちが行かない方が良いのかもと思いそれ以降、同行していません。

–チームにはどんな国の人がいるのですか?
(父)世界各国から選手が集まっています。ドライバーは5、6名でオーストリア、カナダ、スペイン、イギリス、ロシアの同年代の子供たちです。

–当然コミュニケーションは英語なわけですよね。
(母)そうです。チームメイトともそうですし、またチームのトレーナ、メカの人たちとも英語でコミュニケーションを取らなければならないので、ヨーロッパ遠征などをするようになり今まで以上に英語の勉強に一生懸命取り組んでいるようです。
また、海外の大会でよく優勝する同年代の友達がいるのですが、その彼が英語のインタビューに答えるのを聞いて、カートレースも英語も負けたくないとライバル心を燃やしています。

–海外遠征はどんな収穫があったのでしょう?
(母)海外のお子さんたちは、走り方が日本人と違うらしいんですね。常に前へ、前へというように強引で積極的な走りで、箸にも棒にもかからなかったようです。でもそれが良かったみたいです。帰国後、発奮したようで、日本での成績も急に良くなってきました。

–サッカーなどのスポーツ選手も海外遠征や留学する人が増えているようですが、やはり世界の選手にもまれるという体験は更に上を目指すためには必要なんですね。これまでカートレースをやってきて何か転機になるような出来事はありましたか?
(父)はい。小6の時です。小学生最後の大会でした。それまでは、素人の私がカートのメカをやっていました。結果は惨敗でした。明らかに私の微妙なブレーキ調整のミスでした。レース後、息子に「もうお父さん、僕のメカをやらないで」と言われました。当然と言えば当然です。この時、やはりプロに任せなくてはこれ以上、凌の成績も伸びないと確信しました。それから専属のメカをつけることにしました。そのメカとの出会いで凌はすごく変わりました。体作りやカートに関してもたくさんのことを学んでいます。カート技量も飛躍的に伸びました。

–今回のデンマーク遠征はどうでしたか?
(凌君)はい。デンマークは日本と比べてコースがあまり整備されていません。そういったコースの走り方も今回は学べました。
–英語に関してはどうですか?
(凌君)今まではカートの話ばかりでしたが、今回はチームメイトとカート以外にもいろいろな話ができたので良かったです。

–そういえば凌君が小6の時のクリスマス発表会では、レーススーツをまとい、”My dream is to become a champion of Kart race.” というスピーチを披露してくれました。夢を実現させましたね。おめでとう。今後の目標、将来の夢は?
(凌君)ヨーロッパのカートレース大会で優勝したいです。将来はF1のドライバーになれたらと思います。

–あと何年かしたら世界から注目を浴びるレーサーになっているかもしれないですね。世界各国からのテレビインタビューに、”Congratulations! Your English is so good. Where did you learn English?” と質問され、”I had learned English at Nissait English School since I was three.” と答えている姿が放映されることを楽しみしています。


編集後記
A bad workman quarrels with his tools. (下手の道具立て)

「下手な者ほど、道具にあれこれと注文や文句をつけたがる」といった意味の諺です。腕の良い人は、どんな道具でも良いものを作れるので、道具を責めないということです。耳の痛い諺です。英会話の勉強に関しても、あれこれ手を付けるより、1つのものをじっくり何度も何度もという学習の方が効果があるかもしれませんね。そして上達に限界を感じたら、その道のプロに任せてみることが大切なのだと思います。