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2022/03/02

ふと、英語の多様性を考えてみました

皆様 こんにちは。

今回のニッセイト・ブログリレーはGE講師/コーディネーターの

TEPPEIが担当します。よろしくお願いします!

 

ニッセイトでは英語教材だけではなく、子どもたちの通う学校で使用する教科書を分析することもあります。

僕の学生時代には考えられないくらい、文字も大きく、ユニバーサルデザインが凝っていて、

ずいぶん変わったという印象です。教科書や教材を渉猟していると、

「英語の多様性」というキーワードがよく引き合いに出されます。

実は近い将来、英語は語学教育の枠を超えて、「文化教育」として教わる科目になるかもしれません。

world_people_circle

 

 

著名な第二言語習得・言語研究者のKramsch(1993)が明示している文化学習の目標は次の2点。

Establishing a sphere of interculturality(異文化性の領域を築くこと)、

そしてTeaching culture as difference(文化を多様なものとして教えること)です。

英語が第一言語として話されている国々を、「内輪国」(Inner Circle)と呼ぶのですが、今ではすっかり英語は「国際語」として浸透しています。

 

『目白大学人文学研究』の印田(2010)の研究によると、

日本の英語の教科書に出てくる英語話者はほとんどが、

このInner Circleに属する人達なのです(日本人が観光かホームステイで訪れる設定が多い)。

このことから、日本の英語科の教科書では、英語は「国際語」ではなく、

「英語圏もしくは英語國に訪れた際にコミュニケーションを図るために使用する言語」として扱われています。

換言すると、現行の英語科の教科書は「英語の多様性」の扱いがまだ乏しい、とも言えます。

将来的に、社会階層・性別・年齢といった違いによる文化的差違(差異)を扱ったコンテンツが追加されるかもしれません。

僕が小さいころはやはり、英語はネイティブ・スピーカーが話すものという印象が強かったと思います。

でも今のこどもたちにとって、「外国語」はとても身近になっていて、全く違う世界が見えています。

ニッセイトの生徒が気軽に、緊張感も抵抗感もなく、英語話者に質問をして、会話をして楽しんでいる姿を見ていると、

少しずつですが「英語の多様性」が進歩しているような気がします。

今後も楽しんでいってほしいですね。

 

(References)

Kramsch, C. (1993). Context and Culture in Language Teaching: Oxford: Oxford University Press.

印田佐知子(2010)「英語教育における異文化コミュニケーション能力の育成−中学英語教科書の内容分析−」

『目白大学人文学研究』 6, p.163-180.

 

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